その人らしく生き、生ききるための人生支援として人生会議(ACP)の推進を! #人生会議 #ACP
【質疑通告】
終活の支援について
1.終活ノートについて
(1) 高齢者介護課が配布する終活ノート(エンディングノート)の特徴と記載への支援について
(2) これまでの配布状況と市民の反応は。
2.人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)
(1) 市民が希望する終末期の療養場所(病院、介護施設、自宅等)の割合と、実際に亡くなる場所の割合などは把握しているか。
(2) ACPを支える在宅医療や訪問看護・介護、歯科、薬剤師等の地域包括ケア資源の現状は。
(3) 在宅医療・介護連携推進事業の取り組みと課題は。
(4) 市民への啓発とACP実施への支援体制は。
3. 成年後見制度と民事信託(家族信託)
(1) 成年後見制度の概要について
(2) 法定後見制度と任意後見制度の手続きと費用について
(3) 成年後見制度の活用状況は。
(4) 市の成年後見制度利用促進計画の策定状況及び利用促進のための支援策は。
(5)香南市成年後見制度利用支援事業の助成金の所得制限とうの見直しは検討しているか。
(6) 民事信託(家族信託)の概要について
(7) 趣旨普及や利用促進への取り組みは。
【質疑本文】
◯林道夫議員
おはようございます。1番 林道夫でございます。質問に入ります前に一言所感を述べさせていただきます。
9月議会の開会日前に、本議会の議員が逮捕されるという衝撃的なニュースがありました。また、今期定例会の開会日には市長の寄附金の処理等に関わる報道があり、多くの市民の方々から市政に対する不安の声をお聞きしております。
市政に携わる者の1人として、市民の方々に対しまして不安を与えてしまっていることを申し訳なく思っております。
議会としても今後、議員一人一人が政治倫理の意識を高く持ち、襟を正し、市政の信頼回復に努めてまいりたいと思います。
市長におかれましても、今議会においても多数の議員からそのことに関する質疑等がなされることと思いますが、事実は事実としてしっかりと説明責任を果たしていただき、反省すべきところは反省をして、市政の回復、そして市政の正常化に努めていただきたいと思います。
そして、先週末には、誤認の逮捕によりまして起訴されておりました課長様が、本当に終始苦しい中でも一貫した主張を通し、それが認められ、起訴取消しということになりました。本当にご苦労されたことと思いますけども、このご本人をはじめご家族の方々、精神的、社会的に受けた傷というのはなかなかに深いものかと思いますので、どうか職員の皆様、また、市民の方々におかれましても、人権擁護の観点からも一日も早い名誉回復、そして、日常が戻るようなサポートをお願いをいたしまして、質問の方に移らせていただきます。
本日は終活の支援ということに関する質問であります。終活というのは、就職活動ではなくて人生の終末期に向けての準備ということであります。
終活というと皆さんはどのようなイメージを持つでしょうか。
人生の終末期のことということで、先のことなのでよく分からない、あるいはなかなか縁起のよくないことなのであんまり考えたくないというような方も多いかと思います。
しかしながら、人生の終末期というのは誰にでも訪れるものでありまして、そのときには、医療、介護の選択ということだけではなく、金銭管理や葬儀、お墓、また、残される家族への思い等、様々な判断が強いられるわけであります。
しかしながら、多くの場合には、そのようなときに自分の意思をしっかりと示し、判断、選択することができないと言われています。そのためにも事前に、そのような自分の大切にしているものとか思いというものをしっかりと考え、周囲に伝えておくことが大切になってきます。
そこで1点目ですけども、昨年11月の市広報の方に、市の終活支援の記事が掲載されておりました。その中で、高齢者介護課にて終活ノート、いわゆるエンディングノートですけども、それの配布を行っているということがありました。そこで、高齢者介護課で配布されている終活ノートはどのようなものなのか。そして、この終活ノート、エンディングノートというのは配布しただけではなかなか自力でそれを記入し完成することは難しいかと思いますけども、それらの記載についての支援、サポートというのはどのようになっているのか、まずはお聞かせいただきたいと思います。
◯○高齢者介護課長
林議員のご質問にお答えいたします。
終活ノートとは、自分自身の情報、財産のこと、介護や医療についての希望、葬儀やお墓についての希望、親戚や友人のリスト、大切な人へのメッセージなどをノートに書き留めるもので、自分自身の気持ちを整理することができ、これからの生活をより豊かに生きるきっかけになります。
また、自分だけでなく家族のために書き残すノートでもありますが、あくまでもノートに記載することが目的でなく、ノートをきっかけに、家族や自分を支援してくれる人たちと自分の希望や思いなどについて話をして、自分らしい最期を迎えるための準備をすることが目的ですので、内容は難しくならず簡単に記載できる内容のものを提供しております。
記載への支援につきましては、介護予防事業のいきいきクラブなどの集まりにて終活出前講座を行う際に、終活ノートの必要性や書き方についてお話をするほか、令和元年より終活サポート事業を開始し、終活を考えている市民の相談窓口を構えております。
以上でございます。
◯林道夫議員
ありがとうございます。元年から窓口を開設してということなんですけども、それでは、現在まで、この終活ノートの配布の状況、どれぐらいつくってどれぐらい配布されたのかということと、課長の今のご説明では書きやすいようにというふうに、簡単なものにされているということでしたけども、やっぱり、自分がぱっと見たときにはなかなか最後まで書き切るのが難しいというところがあるんですよね。実際、市民の方からの反応はどのような感じになっているのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
◯高齢者介護課長
ご質問にお答えいたします。
終活ノートは、平成29年度から令和2年度までの4年間で1,170部を配布しております。配布方法としては、ふれあい祭りや、地域で活動している高齢者クラブや、高齢者学級、また地区公民館やいきいきクラブ、野市図書館で開催した終活出前講座、そして、高齢者介護課の窓口であります。今年度は90部を購入し、継続して配布をしております。
市民の反応としましては、多くの方より、前から興味があった、これを機会に書いてみたいなどのご意見を頂いております。
また、終活出前講座で配布した際は、こんなの書きたくない、死ぬときのことをまだ考えたくない、まだ怖いというご意見も頂いています。でも担当が窓口で一緒に書き方を説明しまして手順を教えていったところ、それならこういったものも必要と言ってもらえることもありまして、様々な機会に引き続き啓発をしていきたいと考えております。
以上でございます。
◯林道夫議員
ありがとうございます。どうしても先ほど市民の方の反応の中で、そういう、もう先のことはあまり考えたくないとかいう声も当然あるかと思うんですけども、終活ノート、エンディングノートというのはやはり自分のためというよりも本当に周囲の家族のためというような部分もあると思うので、そういうところでまた推進をしていただきたいと思いますけども、市のエンディングノートをちょっと見せていただいて、結構厚みもある感じなんですけども、自治体などによってはもっと本当、簡易な重要項目だけとか、基礎項目だけにした絞ったものを、ホームページ等からダウンロードして自分で記載できるような形になっていたりするかと思うんですけど、内容等の見直しとかいうのは今後考えたりはされているのでしょうか。
◯高齢者介護課長
ご質問にお答えいたします。
今、高齢者介護課では冊子を構えておりまして、先ほど説明した内容の項目を記載する内容となっております。確かに議員のおっしゃるとおり、ホームページとかに載せまして、見ていただいて、本人さんが書きやすい内容を選択できるような、そういう運営体制でいきたいと、考えていきたいと思っています。
◯林道夫議員
ありがとうございます。
そうしたら、次の項目の人生会議の方に移らせていただきます。
この人生会議という言葉を皆さん聞いたことがありますでしょうか。
人生会議というのは、終末期に際しましてその人がどのようなことを大切にして、どのようなことを希望し、医療、介護をどのように選択するかということを事前に考え、それを大切な周囲の方と共有していくというものであります。
当然、先ほどのエンディングノートにもこのような項目を書くところはあるわけですけども、大きな違いというのは、どうしてもエンディングノートの場合には、個人で書いて、本当は共有されるべきものなんですけども、そこで保存をされてしまって、なかなか書換え、更新というのがされにくいというような傾向があります。
それに対して、人生会議については、当然、人の心、考え方というのは変わるものである。そして、病状、また環境等により変化するという前提で、それを常に周りの方と共有するためにミーティング等を繰り返すというような視点になっております。
従来、厚生労働省はACP、アドバンス・ケア・プランニングという名称で、これの推進を図っていましたが、やはり国民の方になれ親しんでほしいということで、公募により人生会議という愛称を決定し、本議会の開会日である11月30日が人生会議の日というふうになっております。
生命の危険が及んだ状況のときというのは、約7割の方が医療、介護に対する判断というのができなくなるというふうに言われております。
高齢による肺炎等、また、最近はコロナ等の肺炎等による意識混濁であったり、認知症、また、突発的な事故や病気等により、誰にもこの状況というのは起こり得るわけでありますが、そのような際においても、しっかりと自分らしく選択をするということを事前に決めておいて、それを共有し、自分が判断できなくなったときも、自分らしさというものが尊重されるということが大切になってくるわけであります。
多くの方は、自分の最期のときというのは住み慣れた家で迎えたいというような思いがあるわけですが、それに反して、多くの方は、現在、病院で最期のときを迎えるということが多くなっているわけであります。
人生会議等に先進的に取り組んでいる市町村におきましては、市民の方々がどのような終末期を希望しており、どこで亡くなることを希望しているのか、そしてそれに対して、実際に市民の方々がどのような場所で亡くなっているのかというようなデータを把握していたりするわけであります。
本市においても介護保険の事業計画や高齢者福祉計画等を策定する際に、様々なアンケート調査、また、統計情報等を参照しているかと思いますが、本市における、人生の最期を迎えたいという希望の場所、それに対する、実際にどういう場所で皆様が亡くなられているのかという、そういう情報については把握をされているのでしょうか。
◯高齢者介護課長
ご質問にお答えいたします。
市民が希望する終末期の療養場所は把握しておりませんが、将来生活する場の希望を調査した結果がございますので、お伝えします。
この調査は、令和2年度、介護保険事業計画の策定に当たり、65歳以上の方から3,500人を無作為に抽出し実施したものです。回答数2,634人のうち、在宅と回答した方は1,606人で全体の61%、特別養護老人ホームや有料老人ホームなどの施設と回答した方は450人で、全体の17%でした。
次に、実際に亡くなる場所についても把握はできておりませんが、施設に入所、入居した方が、施設で亡くなった割合について調査をしておりますので、その結果をお伝えします。
この調査は、令和2年度に香南市内にある入所入居型19施設を対象に、令和元年7月1日から令和2年6月30日までの1年間の期間に、退所した方の居所変更実態調査を実施したものです。
居所変更をした334人のうち、入所、入居している施設で亡くなった方は97人と全体の29%で、施設別では、特別養護老人ホームが42人と最も多く、次いで老人保健施設、グループホームの順となっております。
以上でございます。
◯林道夫議員
ありがとうございます。なかなかデリケートな問題でもあり、聞きにくいところもありますし、本当にそういうものの把握というのはもう難しいところもあろうかと思います。
本年3月に日本財団というところが人生の最期の迎え方に関する全国調査の結果というものを公表しております。それによりますと、人生の最期をどこで迎えたいかという設問に対して、59%の方が在宅での最期を希望している。次いで、病院等の医療施設の割合というのが34%、そして介護施設等が4%、あと、その他というようなことになっています。
それに対して、厚生労働省の人口動態統計というのを見ますと、現在亡くなられる方の割合というのは、病院等の医療施設が75%で、在宅で亡くなられる方が13%というふうになっています。
このように、住み慣れた家で亡くなりたいという希望を持っていながらも多くの方はその願いがかなわず、病院等で亡くなるという実態があるわけであります。
この要因としては、核家族化等の社会的な要因というのもあると思いますし、また、本人がそういう希望、できれば家で亡くなり、息を引き取りたいというような希望を思っていたとしても、それを周囲に共有できていないというようなこともあろうかと思います。
また、そもそも地域にその在宅の療養を支えるだけの医療、介護等の地域包括支援、資源、それが十分にない場合には、なかなか本人がそれを希望しても、それをなし得ることが難しいということもあろうかと思います。
そこで、本市におけるこのACPを支える医療介護の支援、包括的な支援の状況というのは現在どのようになっているか、お知らせいただきたいと思います。
◯高齢者介護課長
ご質問にお答えいたします。
南国市、香美市、香南市の3市が香美郡医師会と土佐長岡郡医師会に委託している在宅医療介護連携推進事業において、在宅への訪問診療や、往診が可能な診療所、訪問看護ステーション、調剤薬局、歯科診療所など、広域的な医療介護支援の把握を行っております。
往診可能な診療所が香南市内では7か所あり、香南市以外の高知市や香美市の診療所からも往診を受けられます。また、歯科診療所は13か所、調剤薬局が8か所、在宅への訪問による診療や支援を実施しております。
訪問看護ステーションは香南市内は1か所ですが、香南市を訪問対象としている訪問看護ステーションは、高知市や南国市を含めると18か所あり、そのうちターミナル対応の24時間体制の訪問看護ステーションは14か所となっております。
以上でございます。
◯林道夫議員
ありがとうございます。
やはりこのような地域包括ケアの資源の整備に関しては、香南市内だけで完結するものではなくて、広域的に連携していくことがやっぱり大事になってくるかと思います。先ほどご答弁の中にもありましたけども、中央東福祉保健所圏域等で推進をしている、在宅医療・介護連携事業というようなもので、このACP等も視野に入れた取組というのがなされているかと思いますけども、取組については一定今の答弁の方でありましたけども、特にACPに関わる部分で何か補足するところがあればお願いしたいと思いますし、また、現在人生会議でACPを進める上で連携事業の課題等がもし見えているようでしたら教えていただきたいと思います。
◯高齢者介護課長
ご質問にお答えいたします。
在宅医療・介護連携推進事業では、令和元年より、医療従事者と介護職、一般市民を対象に、講演会の開催と、エンディングノートを配布など、ACPの普及啓発に取り組んできました。また、医療と介護の勉強会や、みとりに関する検討会などを実施し、医療と介護の連携強化にも取り組んできました。
課題としましては、医療や介護の従事者、市民を対象とした地域全体への普及と、地域で実践されていく体制の構築が必要となっており、今後も、在宅医療・介護連携推進事業において取り組んでまいります。
また、過去3回の講演会場が香南市ではないことで、多くの市民の方が参加できないこともあり、今年度につきましては、令和4年1月16日の日曜日午後1時から、夜須公民館において、「最後まで自分らしくを考えよう」という演題で講演会を開催いたしますので、多くの市民の方のご参加をよろしくお願いします。
以上でございます。
◯林道夫議員
ありがとうございます。やはり先進的に例えば安芸市なんかは、人生の最期を選択できる町というのも取り組んでいて、そういうところとの格差、格差というとちょっと語弊がありますけども、なかなか取組とか意識の差というのが、先日ちょっとACPに関わる研修会に出たんですけども、その中で各県内の市町村の取組などを見る中で、そういう差というものを感じました。
やはり最後の方に言っていただきましたけども、まず、本当に香南市内で、もしそういう人生会議というものを選択するにおいても、在宅で支援する資源がどのような、どういうものがあるのかということが市民の方にしっかりと伝わった上で、自分のACPというものを考え、そして、それを家族の方、また、周辺のケアスタッフ等が共有できる体制というのをつくっていくことが大事だと思いますけども、1月にそういう講演会をするというようなことも答弁に頂いていますけども、なお今後ですけども、市民の啓発、また、当然、そういう医療ケアスタッフ等、職員等も含めまして、そういうその啓発をどのように図っていくのかをお聞かせいただきたいと思います。
◯高齢者介護課長
ご質問にお答えいたします。
ACPとは、将来の自分が望む医療及びケアについて、本人を主体に、そのご家族や、近しい人、医療ケアチームが、繰り返し話合いを行う、本人の意思決定を支援するプロセスのことであります。
本人の人生観や価値観、希望に沿った将来の医療及びケアを具体化できますよう、ACPやエンディングノートの普及啓発に取り組んでまいります。
以上でございます。
◯林道夫議員
ありがとうございます。この項目の最後でちょっと市長の所感というかをお伺いしたいんですけども、
本市は今、人生支援計画というようなことに取り組んでいるわけですけども、やはり人生といった場合には、生まれてその人らしく生きるということと、やはり、その人らしく生き切る、たとえ自分の判断ができないような状況になっても、その人の人権というものが尊重されながら、その人らしく生き切るということも大切な人生の支援ではないかと思うわけであります。
総務省の消防白書ですか、というものを見てみますと、最近では高齢者介護施設等から病院への搬送というものが増えていて、認知症の方の末期の搬送において、約20%の方というのが搬送されたその日のうちに、そして、6割の方が数日の間に病院等で亡くなられる。これは、本来、救急車というのは緊急搬送という目的で運用されるわけですが、これがみとりというような状況で救急車等が活用され、そして、本人の意思確認ができないままに延命治療へといくというような流れもあると言われています。
これは、香南市においても救急車の出動回数、そういうところにも影響しますし、現場で対応する救急隊員等のジレンマというか、そういう問題もあろうかと思います。
また、一方では、その人の一生の医療費のうちの半分が終末期の2か月間の間にかかるというふうにも言われています。これは本当に、市民保険課さんの医療費の問題等にも関わってきます。
このように人生の終末期の問題というのは、高齢者介護課のみならず、消防本部であり、市民保険課であり、健康対策課であり、また、高齢者だけでなく、福祉事務所、難病や障害の方とか、そういう方もおりますし、そして何よりも本人の人権が尊重されるという面でいうと、人権課等も関わってくるかと思います。
このような多岐にわたる課題があるわけですけども、そういう意味で香南市においても、人生を支援するという観点から、人生の終末期の支援、生き切るための支援ということで、一分野として今後力を入れていただきたいと思うわけですが、その点については、どのようにお考えでしょうか。
◯市長
林議員のご質問にお答えをいたします。
今後については、なかなか複雑なところがございますが、終末期について、今までよりは、そこの年齢の方というよりも、人全てが、それ以前から、例えば若いときから考えもし、それを行政もそうですが、社会全般、考える機会を多くする、啓発するということがまず一番大切ではないかというふうに思ってございます。
本市の人生支援計画というのは、その人が、林議員おっしゃるように、その人らしく生きるためのプランニングアドバイザーというか、そういう役割、機能も担っていると自負してございます。
私も議員のときにいろんな方からいろんな相談を受けて、それが単なる要望であるときもありますが、その人の人生に関わることも多くございまして、それが順風満帆に行く場合もあればそうでない場合もあります。いろんなケースがあって、どういいますか、それが非常に放射線状というか、広がっていくんで、その都度どういった対策を取っていくかというのもこれも1つの仕事だと強く感じたものですから、市長になってということで人生支援計画という、順風満帆に全て行っている人生よりもそうでない人生について、行政がどういった関わり、支援ができるかという視点でございます。
そういったことで、高齢期部会だけでなく、終末期のことは、人生支援計画の中の幾つかある柱の1つで今後考えてというふうないろんな、登場というか、そういう言葉が出てくる機会というのも今後は多くなってくるのではないかというふうに思いますので、どのような形での行政としての支援とか立ち位置とか、あるいは市民の皆さんへの啓発とか、施策とか、それに関しての予算措置とかというものは、今後は今まで以上に詳細に検討していくということが、市としては一番適当ではないかというふうに思っているところでございます。
以上でございます。
◯林道夫議員
ありがとうございます。通告をしてないので、申し訳ありません。ありがとうございます。
それでは、3項目めの成年後見制度の方に移らせていただきます。
この成年後見制度については、終活というのと若干ニュアンスは違いますけども、やはり、その人らしい、その人が判断ができなくなった状況においても、人権擁護の観点からその人らしく選択をしていただくための支援制度ということで、あわせて質問をさせていただきます。
まずは成年後見制度の概要についてご説明をお願いします。
それとあわせて、この法定後見制度と任意後見制度の手続と、それにかかる費用についてご説明をお願いいたします。
◯高齢者介護課長
ご質問にお答えいたします。
成年後見制度は、認知症や障害などにより、ご自身で判断することが難しい方に対して、後見人等とが選任され、本人に代わって契約の締結や財産の管理をすることができる制度であります。
成年後見制度には、既に判断能力が低下された方に対して、家庭裁判所に申立てを行って後見人等が選任される法定後見制度と、本人に判断能力がある段階で、将来に備えて公正証書で任意後見契約を結んでおく任意後見制度の2つの種類があります。
手続と費用につきましてですけど、法定後見制度は、まず、主治医に診断書を書いてもらい、診断書で、判断能力の程度によって、後見、保佐、補助の申立書を作成します。申立書はご自身で作成することもできますし、司法書士等に委任することもできます。
申立書類が出来上がると、家庭裁判所へ申立ての予約を行い、調査官の面接を経て申立てをします。
費用には診断書代や戸籍謄本、申立手数料、切手代などを含め、1万から2万程度かかります。裁判所が鑑定に必要と判断した場合は、さらに5万から10万程度かかります。
その後、審判が下りて、法務局で後見登記が完了すると法定後見が開始します。
次に、任意後見制度は、判断能力があるときに、本人と受任者が話合いで決定した事項を公正証書で任意後見契約を結び登記しておきます。
公証役場で公正証書を作成するに当たって、約2万円の費用がかかります。その後、本人の判断能力が低下したときに、任意後見受任者や親族等が家庭裁判所に任意後見監督人選任の申立てを行い、審判、登記を経て任意後見が開始します。
以上でございます。
◯林道夫議員
ありがとうございます。今のご説明の中でひょっと、法定後見人で、後見人が選定された後のその後の報酬ですとか、あと任意後見においても後見監督人に対しても恐らくちゃんと後見がされているかというチェックが毎年発生するかと思いますけども、それに対する費用などについてもちょっともし分かるようでしたらご説明をお願いしたいと思います。
◯高齢者介護課長
法定後見制度で後見人が決まった後の報酬につきましては、市の要綱で定めています上限額でいいますと、月額で2万円ぐらいの報償を出しております。
以上です。
◯林道夫議員
ありがとうございます。ちょっと聞き方が悪かったかもしれません。ホームページ等で見ますと、やっぱり管理する財産の金額等にもよる、財産というか金額等にもよって、その報酬等が決まるというような感じですけど、年間5万であったり10万であったり、そういうような経費がかかるというような記載もあったりするので、また、その辺りは補足いただいたりと思います。
それでは、現在香南市におけるこの後見制度の活用状況というのはどのようになっていますでしょうか。
◯高齢者介護課長
ご質問にお答えいたします。
香南市の成年後見制度の利用者数は、令和3年10月末現在で46人となっております。内訳としまして、後見が38人、保佐が4人、補助が4人であります。
昨年度、市長申立てを行った人数は、高齢者は4人で、障害者は0人であります。
以上でございます。
◯林道夫議員
ありがとうございます。なかなか法定後見についてとかは把握しやすいところがあるかと思いますけど、任意後見については、実際、別に行政が関わられない部分というのもあろうかと思うので、把握しにくいかと思いますけど、実際その感触、分からなければ全然構いませんけど、ケアマネさん等が関わる中で、任意後見というの活用はどの程度されているのかとか、分かる範囲でお答えをお願いします。
◯高齢者介護課長
質問にお答えいたします。
ケアマネさんとかからですけど、実際その任意後見をしたという事例は聞いたことがちょっとないです。県下の取りまとめしている、古いですけど、昨年11月2日現在の市町村一覧の状況を見ますと、任意後見で香南市である方は0人となっております。
以上でございます。
◯林道夫議員
ありがとうございます。なかなかやっぱりハードルが高いという、そもそも後見制度を知らないという方もいるかなとも思いますけども、やはりハードルが高いというようなところもあって、国の方も各市町村に対してこの後見制度の利用促進計画の策定というのをいってきているかと思います。
今回、第8期の介護保険事業計画の方を見ますと、その計画についても若干書かれているわけですけども、本市における後見制度利用促進計画の策定状況と利用促進のための取組にどのようなものがあるのかちょっとお知らせいただきたいと思います。
◯高齢者介護課長
ご質問にお答えいたします。
成年後見制度の利用促進に向けた体制整備に取り組むため、成年後見制度利用促進計画は、令和3年3月に策定しました香南市高齢者福祉計画第8期介護保険事業計画と、一体的としております。
利用促進のための支援策としまして、高齢者介護課と福祉事務所を中核機関と位置づけ、広報、相談、利用推進、後見人支援、不正防止の5つの機能を担っております。その中でも、広報機能に重点を置き、ケアマネジャーなど関係機関への制度の周知、また、一般市民向けとしまして、講演会や、チラシを作成し、啓発に取り組んでおります。
以上でございます。
◯林道夫議員
ありがとうございます。なかなかやっぱり市民の方からすると、ハードルが高いというのもあるし、それほど財産の管理に苦労してないという家庭も当然あろうかと思いますけども、この利用促進ということで、本市においても、利用支援事業というものがあって、その手数料であったり、そういうものを一定補助をするという事業があるわけですけども、その要綱等を見させていただきますと、所得制限ですか、というものがあったりして、そういう中でやっぱり先ほど言われるように任意後見制度は利用が多分ゼロではないかと、法定後見についてもちょっとなかなか利用者が少ないという状況で、この所得制限であったり利用範囲ですか、そういうものの見直しとかということは検討されたことはあるのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
◯高齢者介護課長
ご質問にお答えいたします。
この助成事業は、審判請求にかかる費用と、親族でない第三者である後見人等への報酬の2種類が助成対象となっております。
議員のご質問内容からは、本人または配偶者や4親等以内の親族が行う親族申立ての審判請求に係る費用の助成についてと思われますので、答弁させていただきます。
親族申立てによる審判請求に係る費用の助成対象者は、本人及び申立者が被保護者またはこれに準ずる者か、審判請求に係る費用の負担が困難であると市長が認める者のいずれかに該当する方であります。
現在、親族申立てによる相談や助成の実績はありません。親族申立てによる助成実績がないことは、申立者に資力があり助成申請をしないのか、また、制度を知らないのかが把握できておりません。
なお、親族でない第三者である後見人等への報酬は、家庭裁判所が本人の資力を勘案して決定された報酬額と、市で定めた報酬額上限との差額を後見人等へ助成をしております。
今後は他市町村の状況を参考にして、要綱見直しの必要性を検討してまいりたいと思います。また、認定結果通知にチラシを同封して、ほかの事業とあわせて、成年後見制度利用支援事業を紹介しておりますが、より分かりやすい制度の周知に取り組んでまいります。
以上でございます。
◯林道夫議員
ありがとうございます。なかなかそういう分析も難しいところもありますけども、やはり市としてもこの利用促進計画というものを策定して今後、利用促進を図っていく上で、そういうような課題の分析であったりとか、そういうことをして、まずは本当、知っていただくことということになりますけども、そういう利用促進に努めていただけたらと思います。
とは言いながら、やっぱり成年後見制度というのはなかなかハードルが高いような意識がありますし、融通と言ったら変ですけども、柔軟性がちょっとないようなところもありますので、最近では、民事信託ですか、いわゆる家族信託というようなものも活用が言われてきているわけですけども、まず、この家族信託について概要の説明をお願いいたします。
◯高齢者介護課長
ご質問にお答えいたします。
民事信託とは、ある特定の財産を自分自身が信頼できる人に託し、名義を移転し、信託契約で定めた一定の目的に従って、管理、活用、承継を行ってもらいます。そして信託の利用を享受する人に信託財産を利用させたり、運用益などを給付したりする制度であります。
民事信託は、信託契約などによって内容を決めるもので、自分の生存中から死亡後まで、財産の管理、活用、承継について柔軟な設定ができます。また、自分が信頼した人に財産を託すことができるので、自分自身の希望を反映するには有効な制度であります。
しかし、自由度が高い分、契約内容は複雑になり、自分たちが求める結果が得られない場合があるようです。
以上でございます。
◯林道夫議員
ありがとうございます。自分自身もそれほど詳しく勉強しているわけじゃないので、そういう利用しにくい部分もあるという、答弁の最後の方で言われましたけども、そのようなことも含めまして、やはりエンディングノートであったり人生会議、そういうものを進める上で、選択肢の1つとして、リスクも含めて、しっかりと説明していくことというのが、やっぱり、そのことで逆に後見制度の利用が普及されるということもあるかもしれませんので、そういうことも含めて、普及啓発には今後取り組んでいかれるお考えがあるのかお聞かせいただきたいと思います。
◯高齢者介護課長
ご質問にお答えいたします。
香南市としては、高齢者介護課と福祉事務所で構成している中核機関を中心に、成年後見人制度については広報で周知していますが、今後は民事信託などを含め、活用ができる制度の紹介や普及啓発に取り組んでまいります。また、利用促進に向け、弁護士や司法書士などの専門職との連携をとり、専門機関へつなぐ取組を行ってまいります。
以上でございます。
◯林道夫議員
ありがとうございました。
今回は、終活の支援ということで質問をさせていただきましたけども、終活というのは本当にご本人がどのような生き方を選択するかということで、そして、自分の意思が判断ができなくなった状態でもそれを引き継いでいただき、最後まで自分らしく生き切るための取組であります。それはご本人のためだけではなくて、やはり周囲の家族に対しても大事なこととなっておりますので、ちょうど12月5日から11日までが人権週間というふうになっています。やはり、人権というのは人間が生まれながらにして大切にされなくてはいけない権利であって、そしてそれが、順風満帆に人生を送っているときだけでなくて、やはり最後まで人権というものが尊重されて生き切ることのできる香南市であっていただきたいと思いますので、そのためにも前向きに今後とも取り組んでいただけたらと思います。
それでは、本日の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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