夜須町地域の宅地整備計画の必要性をどう認識しているのか! #人口減少 #高台移転

【質疑通告】

今後の夜須町地域の宅地整備計画について

(1) 住宅地整備計画の候補地選定に当たり、「夜須町候補地は、南海トラフ地震発生時には主要ルートが津波浸水区域に位置し、孤立する可能性がある。」ということだったが、住宅地整備計画にかかわらず、発災時の夜須地区へのアクセス道路の問題は重要だ。

①市道添地堀ノ内線の整備に向けた取り組みと今後の見透しは。

②南海トラフ地震を想定した夜須地区へのアクセス道路について、添地堀ノ内線以外の整備計画はあるか。


(2) 「夜須町地域への宅地整備計画については、香我美町下分地区の区画販売状況等を見据えた上で実施に向けた検討をしたい。」という答弁だった。

①下分地区宅地造成事業について6月議会以降の取り組み状況及び今後のスケジュールは。

②下分地区の区画販売状況によっては夜須町地域への宅地整備計画を見直すとも受け取れる答弁だが、夜須町地域への宅地整備の必要性をどのように認識しているか。


【質疑本文】

◯林道夫議員

 1番 林道夫でございます。本日も通告にしたがいまして、2項目の質問をさせていただきます。

 1項目めの、夜須地域の宅地整備計画についてですけども、これは6月議会で質問をさせていただいた続きということでよろしくお願いいたします。

 今般、香我美町下分地区の宅地整備計画について、夜須地区の候補地との比較選定理由というのをお尋ねしたところ、夜須の候補地については、南海トラフの地震発生時の津波が発生した場合に、当該候補地への主要ルートが浸水域にあり、孤立する可能性があるということ、また、市内の主要施設等へのアクセスの状況が香我美候補地の方が有利である等々の理由から総合的に判断をして決定をされたという答弁でございました。

 この市内の重要施設へのアクセスという面については、これは通常時、また車の方にとってはそれほど大きな差ではないと思うわけですけども、浸水時のアクセス道路の浸水の孤立の問題です。これについては、この宅地整備計画ということ以前に、夜須地域にとっては大変な大きな問題でありまして、逆を返せば、この整備というか、検討をしっかりしていない限り、夜須の候補地については、永遠にディスアドバンテージがつきまとうようなことになってしまいます。

 また、命の道と言われる高規格道路ですけども、南海トラフ地震が発生し最大級の津波が来た場合には、夜須インターで8メートルの浸水が予想されるといいます。当然それより海側にある55号線も含めて主要道路が浸水し、夜須地域は孤立することとなります。

 この場合の夜須北部からのアクセスルートとして期待されるのは市道添地堀ノ内線、いわゆる農免道路であります。

 この道の整備につきましては、合併以前から地域の方より強く要望されておりますし、この議会においても、何人かの議員が質問し要望をしてまいりました。

 整備の有力な方法として、自衛隊の基地周辺整備事業というものが期待されているわけですけども、その適用に当たっては、なかなか要件が限定されているということで難しいというお話もお聞きしております。

 まず、1点目、この市道添地堀ノ内線の整備について、これまでの経緯と今後の見通しについて、お聞かせを頂きたいと思います。


◯建設課長

 林議員のご質問にお答えをいたします。

 市道添地堀ノ内線は、夜須町と香我美町とを結ぶ日常生活や産業を支え、また、南海トラフ地震時における避難や迅速で円滑な救助活動、物資輸送の重要な幹線道路でもあり、また町村合併以前からの整備対象路線でもあります。

 この路線におきましては、議員がおっしゃるとおり、陸上自衛隊高知駐屯地に隣接し、演習場の進入路に接続する路線であることから、防衛省に対しまして、基地周辺整備対策の一環として整備の要望活動の方で行っていたところです。

 しかしながら、整備に対する基地周辺整備対策事業の基準に合致しないということから、防衛省による路線整備はできないという回答を得ております。

 このようなことから現時点では道路整備に向けた取組はありませんが、今後において、整備に向けた検討が必要と考えております。

 以上です。


◯林道夫議員

 ありがとうございます。なかなか基地周辺対策事業での整備は困難ということなんですけども、平成24年の3月議会においても、当時の仙頭市長より、この添地堀ノ内線の整備については、時間はいつになるか分からないけども重点的に検討したいというような答弁もなされております。

 その後、清藤市長になってからも、これらの質問に対しては前向きな検討というのを答えていただいていたかと思います。この対策事業が難しい場合に、何らかのほかの補助事業、そういうものが検討できないのか、その点についてはいかがでしょうか。


◯建設課長

 林議員のご質問にお答えをいたします。

 防衛省がこの路線に対しての整備ができないという回答を得た中で、今現在残されている可能性がある補助事業としましては、社会総合、社総という交付金事業が、国交省の交付金事業がございますが、それを活用しての道路整備ということが考えられます。

 これにつきましても、現在、香南市の中でも何路線か、今、取り組んでおる中でありますので、具体的にということは、今言えませんが、今後、もし検討するのであれば、その社総金を活用しての道路整備ということになります。


◯林道夫議員

 ありがとうございます。なかなか本当に、充当率の問題とかもあり難しいところもあると思いますけど、また過疎事業等も活用しながら、前向きな検討をお願いしたいです。

 この添地堀ノ内線の状況については、大体分かりましたけども、やはり浸水時の孤立を防ぐためのアクセス道路の問題というのは、やっぱりこの1本の道だけでどうこうということじゃなくて、災害というのはどういう状況で起きるか、また災害が起きた後どうなるかということがなかなか難しいところがあるので、幾つかのルートをやっぱり検討しておく必要があろうかと思うんですけども、現段階でこの添地堀ノ内線以外で、孤立を防ぐ、孤立を早急に解消するための道の検討というのはどのようになっているのかをお教えいただきたい。


◯建設課長

 林議員のご質問にお答えをいたします。

 先ほども申し上げましたが、市道添地堀ノ内線の整備につきましては、現在のところ未定でありますが、この路線以外の市道の整備計画についても現在ないところでございます。

 夜須町における南海トラフ地震発生時の災害対策拠点の1つとして、夜須運動場が南海トラフ地震応急機能配置計画で位置づけられており、災害時の応急救助機関活動拠点や物資集積所、応急仮設住宅用地などの役割を担うこととなります。

 この運動公園の救援ルートとして、高知県の総合防災拠点である高知県立青少年センターから野市インターチェンジを通る高規格道路から運動広場へのルートと、青少年センターから国道55号、県道夜須物部線、市道を経由するルートなど、3パターンの救援ルートを道路啓開計画として高知県は策定しており、それぞれのルートの啓開に要する日数としましては、1日から3日としておりますので、現在のところ市道添地線の代替路線としての機能は確保できていると考えております。


◯林道夫議員

 ありがとうございます。一応、計画の上では、災害発生時、1日から3日で孤立解消という、道路アクセスの問題というのは復旧するというような計画ということです。

 今回は、宅地整備ということに関わって、孤立解消の道の話をさせていただきましたけども、先ほど言いましたとおり、やはりこれは宅地整備にかかわりなく、夜須地域の孤立の問題というのは、なかなか重い問題だと思いますので、孤立解消を1日でも早く、1日から3日という、これはもう本当、最低ライン、これを守れるような形で、また基地からそれぞれの地域に対する道の整備等も加味して検討していただいたらと思います。

 これは、本当、この課題がなかなか解消しない限り、永遠に夜須地域の宅地整備に当たっては、孤立する可能性があるというディスアドバンテージがついてきてしまって、1日から3日で開通するという計画であれば、それは多分、ほかの地域とそれほど計画上は変わりないのかなというところもあるので、今後とも推進をよろしくお願いいたします。

 そして、6月議会の答弁では、夜須地域の計画については、香我美町下分地区の分譲の状況によって、計画の実施を検討するというような答弁を頂いておりまして、これ、本当、聞きようによっては、下分地区の売行きが悪ければ、夜須地域の計画は見直されてしまうんじゃないかというようなとり方ができないでもないわけでありますけども、まず、今の計画である、下分地区の宅地整備計画について、6月議会以降の取組と、今後のスケジュールについてお聞かせを頂きたい。


◯建設課長

 林議員のご質問にお答えをいたします。

 住宅地整備の6月議会以降の取組としましては、7月2日に新工業団地住宅造成事業について、山南土地改良区の役員に事業の必要性や規模などの概略の説明を行っております。また、同月の4日には、山南まちづくり協議会、12日は、地権者や地元関係者に同様の説明を行っております。

 この説明会を通して、工事のスケジュールや工事場所の近隣には小学校や保育所があるので、工事車両の通行や騒音などの安全対策を配慮することなどの意見が出されました。

 また、工業団地から宅地造成予定地間の久保田川の整備や、団地を造成することにより交通量も増えることが想定されるため、宅地造成予定地付近の交差点の県道の改良も併せて行い交通安全に配慮した面的な整備の要望もありました。

 こういった要望を受け、久保田川及び県道の管理者である県の関係各課に事業説明に伺うとともに、課題解決に向けて協議を継続して行うこととしております。

 また、今後の取組としまして、市商工観光課が工業団地の造成基本設計を発注するのに伴い、工業団地への進入路である市道の概略設計を、建設課が発注することとしております。

 県との事前協議では、工業団地の進入路である市道についても、詳細設計と工事を県で実施していただくようお願いをしているところです。

 工業団地と宅地造成事業は一体的な事業として取り組み進めていく予定であり、宅地造成事業につきましても工業団地の造成基本設計や市道の概略設計を参考に、令和4年度には宅地造成事業の概略設計に取りかかりたいと考えております。

 以上です。


◯林道夫議員

 ありがとうございます。当然、香我美町下分地区についての地元に求められる形でやろうと、地域に説明する中で、今はまちづくり協議会とか、そういう範囲だと思うんですけども、具体的に、例えば、皆さん賛成いただくというか、そういう形のお声なのかをまずお聞かせいただきたいのと、現在のところの計画で、仮に整備が、工業団地の兼ね合いもあるかと思いますけども、宅地の整備が完了して分譲に入るのは、いつ頃の期間なのかということをまずお聞かせください。


◯建設課長

 林議員のご質問にお答えをいたします。

 宅地造成事業につきましては、まだ詳細な測量であるとか、設計であるとかいうことはまだ行っておりませんので、今現時点で、そのスケジュールでということはなかなか言えないところなんですが、予定といいますか、考え方としましては、やはり工業団地をつくるのにまず市道をまず、それが工事用の進入路になっていくと思いますので、それがまず施工して、工業団地を施工しつつ、住宅団地の設計も行いながら、県道の整備であるとか、久保田川の改修であるとか、そういったところも併せてやっていくようになっていくと思いますので、ただ、今の時点では、何年度とかいうスケジュールをちょっとお示しすることはできません。

 以上です。


◯林道夫議員

 ありがとうございます。6月議会の答弁で、下分の分譲の状況によってという答弁やったがですけども、今の話でいうと、そこから先に分譲の時期についてもまだ未定ということで、本当に夜須地区の問題というのは、いつに取りかかっていただけるのかというところがすごい心配になるわけなんです。

 その間、地震が待ってくれるかという心配もあるわけですけれども、夜須地域というのは、香南市全体を見てもやっぱり人口減少幅というのはなかなか大きくて、また、現在、学校教育課ですか、学校の適正配置という面でいっても、人口の定住策、そういうことをしっかりしていかないと、やっぱり小中学校の適正配置というような部分にも関わってくるところでありますし、この海岸地域からの高台移転、そういう問題というのは、本当になかなか喫緊のというか、5年、10年後というよりはもう本当になるべく早く検討いただくというような思いを思ってるわけですけども、一方では、先ほど課長の答弁の中で、工業団地も含めてのいろんな整備、これが香南市、あるいは建設課、商工観光課等の業務量とのバランスで、2つの地域も住宅宅地開発を並行してできるキャパがあるかというような問題にも関わってくるかと思いますけども、それはそれとして、やはり、夜須の地域としては、喫緊な課題であるという私の認識なので、その点について、再度改めて、夜須地域の宅地開発について、市としてはどのようなお考えなのかを改めてお聞かせいただきたいと思います。


◯建設課長

 林議員のご質問にお答えをいたします。

 今回、住宅地の整備につきましては、宅地、香我美町下分地区と夜須町中部地区を比較検討した結果、香我美町下分地区に決定しましたが、夜須町地域における南海トラフ地震の危険性や移住定住促進及び市内地域間格差の人口格差解消などを考えた場合、夜須町地域への宅地整備も必要と考えております。

 以上です。


◯林道夫議員

 ありがとうございます。ちょっと急に振ってあれですけど、市長にもちょっと、課長の答弁と当然同じだとは思いますけども、市長の当然、以前、夜須の長というのもありましたし、夜須地域とかの声というのも当然聞かれているかと思いますので、夜須の地域の宅地開発についての思いについてご答弁をお願いします。


◯市長

 林議員のご質問にお答えをいたします。

 前議会でもご質問がございましたが、どう言いますか、私は平成18年頃の香南市となった時の今後の住宅等の在り方というふうなものを考えたときに、ある地域は一定民間事業が開発をしていくと、それはそのままで、ほかの地域というのは、その時よりも人口が減らない施策を取っていくべきだというお話をさしていただきましたが、その後、東日本大震災等が起こりまして、津波の予想区域とそうでないところというふうなことにもなってまいりました。

 今回の香我美町の住宅団地に関しては、人口が減らない施策の1つでもございますし、総合戦略の中での、2060年に3万3,000人を目指すという中での施策でもあるわけでございました。

 当然、夜須の地域は合併後、比較的人口の減少率が高いといいますか、ということがございますので、行政がある一定主導して宅地開発をしていく必要があるということになってまいります。

 市長就任当初、ツイン区画整理事業というのを提唱さしていただきました。これは、林議員もイメージができると思うんですが、夜須町のヤ・シィパークを開発したときとその周辺にあった住宅の方が、行間団地、菖蒲谷団地の方へ移ったという、2か所を同時に区画整理をしていくということになりますが、ヤ・シィパーク周辺にあったところは、これは県が事業をしましたので、その部分で個人は住宅を建てたり、公営の住宅へ入ったりということで、今後、津波が来る予想される区域から別のところへ移るとなったときに、予想される区域の土地といいますか、売却というのはこれがなかなか難しいもんですから、個人としてはどうしても負担がかかってしまう。事前防災で、今、日本では、そういったことの支援事業がないもんですから、東日本大震災の復興事業に現在も取り組んでいるということで、なかなか難しい。

 そういうことであれば、市が一定主導的な住宅団地を取り組んでいくということが、これが必要になってきますので、前段の質問でありました、道路ともこれは大いに関連もしてくるということになりますので、まだ構想の段階ですが、議員おっしゃるように、南海トラフ地震と兼ね合わせせたら、遠い将来のことではなかなかいかんのじゃないかというお話ですが、ハード整備でもあります、一定の事務量ということも考慮していかなければなりませんが、ということで、これは必要なことである。香南市としては、行政主導である一定取り組んでいく必要があるというのが今の方針でございます。

 以上でございます。


◯林道夫議員

 ありがとうございます。本当、この問題は、なかなか当然、お金のことがつきまとうことなんで、難しいところはあると思うんですけども、本当に、宅地を整備する費用と、分譲される、そこだけのプラスマイナスということだけじゃなくて、市長も今言われたように、やっぱり防災面であったり、地域の方の経済活動であったり、教育であったり、地域福祉であるとか、そういうマクロ的な視点でやっぱりメリット、そういう効果というのを考えていただいて、また1日も早く取り組んでいただけるようにお願いをいたしまして、1項目めの質問を終わります。


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