改正災害対策基本法への対応は十分か!? 防災対策

【質疑通告】

災害対策基本法の改正について

 (1) 災害対策基本法の改正により5月20日から新たな避難情報の運用が開始された。変更部分を中心に、警戒レベルの段階毎に市民が取るべき行動について説明を。

 (2) 改正前の高齢者等避難開始、避難勧告、避難指示等の各段階の情報発令時の避難率は。([実際の避難者数] / [避難対象エリア人口])

 (3) 避難指示発令時の対象エリア人口と開設する避難所の受け容れ許容人数の関係はどうなっているか。

 (4) 今後、高齢者等の避難準備・避難開始情報を実際の的確な避難行動に結びつけるための取り組みは。

 (5) 今般の災害対策基本法の改正により、市町村が参考にすべきとされている内閣府の「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」も改定されたが、主な変更点と、本市計画への反映は。

 (6) 指針の変更も受けて、今後、本市の避難行動要支援者の個別避難計画策定をどう推進していくか。

 (7) 現在の指定福祉避難所の指定状況と受け容れ人数、今後の確保計画は。

 (8) 「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」も改定され、東日本大震災以降の災害等の教訓を受けて幾つかの課題が上げられている。今後、特に①支援者確保の課題、②スクリーニングの課題、③多様な要配慮者への対応、④福祉避難所への直接の避難などにどう取り組んで行くか。


【質疑本文】

◯林道夫議員

 1番 林道夫でございます。通告に従いまして、本日も3項目の質問をさせていただきたいと思います。

 今般、災害対策基本法が改正されまして、5月20日に避難情報等の新たな運用がされております。その周知方法については6月広報あるいはケーブルテレビ、ホームページ、また、今後、地域等において説明等を行っていくということでした。

 本日のこの一般質問のケーブルテレビ中継というのも貴重な広報の機会ではないかということで、まず、改めて各警戒レベルの段階での市民が取るべき行動というものを、主に変更された部分を中心にご説明いただきたいと思います。


◯防災対策課長

 林議員のご質問にお答えいたします。

 今回の新たな避難情報につきましては、5段階の警戒レベル情報の発表及び発令となってございます。

 まず、警戒レベル1の早期注意情報では市民に、気象庁の発表します防災気象情報等の最新情報に注意するなど、災害への心構えを高める行動を求めるものになってございます。

 次に、警戒レベル2の大雨・洪水・高潮注意報では市民に、ハザードマップなどによりまして自宅の災害リスク、避難場所や避難経路、避難のタイミング等を再確認するとともに、避難情報の把握手段を再確認するなど、避難に備え自らの避難行動を確認することを求めるものになってございます。

 次に、警戒レベル3の高齢者等避難では市民に、高齢者等は危険な場所から避難すること、また、高齢者等以外の人も必要に応じて出勤等の外出を控えるなどふだんの行動を見合わせ始めたり、避難の準備をしたり、自主的に反することを求めるものです。なお、この高齢者等避難はこれまでの避難準備・高齢者等避難から変更になってございます。

 次に、警戒レベル4の避難指示の方では市民に、危険な場所から全員避難することを求めるものです。具体的な避難行動につきましては、立ち退き避難を基本としておりますが、洪水等に対しましてはハザードマップ等により屋内で身の安全を確保できるかなどを確認した上で、居住者自らの判断によりまして屋内安全確保をすることも選択肢となってございます。なお、この警戒レベル4の避難指示の方では、これまでの避難勧告のタイミングで発令されますので、従来の避難勧告は今回廃止ということになってございます。

 次に、警戒レベル5の緊急安全確保では市民に、立ち退き避難することが逆に危険である場合に、その付近も含めた場所で緊急安全確保することを求めるものになってございます。ただし、災害が発生している状況の中で冷静に安全な行動を取ることは難しく、また、行動を取ったとしましても身の安全を確保できるとは限らないということになっておりますので、市民の皆様には警戒レベル4までに必ず避難していただきたいと考えてございます。

 以上でございます。


◯林道夫議員

 ありがとうございます。

 ただいま説明のあったように、各段階ごとに市民の方々の取るべき行動というのがある程度想定されているわけです。これを今から定着していくことというのがなかなかな課題ではないかと思いますけども、続いて、2項目め、2点目、3点目については併せて質問をさせていただきます。

 台風の接近とか前線の活発化等により災害等が想定される場合に、市としてはタイムライン的に判断をして危険度を判断し、エリアを指定して避難準備・高齢者等避難開始、また、避難勧告、避難指示等の、これは当然5月20日以前の話ですけども、情報というのが出されるわけですけども、それらの各避難情報を出した段階での避難率、つまり、危険度、避難指示等を出すエリアの人口に対する実際に避難行動を起こす人の割合というのはどのようになっていますでしょうか。

 また、3点目ですけども、避難指示等の情報を出した場合に行政としては避難所を開設するわけですけども、避難指示のエリアの人口に対する避難所の受入れ人数、キャパはどのような関係で避難所を開設するのか、このあたりを教えていただきたいと思います。


◯防災対策課長

 ご質問にお答えいたします。

 近年発生いたしました災害で、市の開設しました避難所の方に実際に避難された方がおいでました、主に2つの災害のケースでお答えいたします。

 まず、平成30年7月豪雨災害になりますが、避難勧告等の発令は防災気象、土砂災害危険度、河川水位等の情報により、リードタイムを考慮しました適切なタイミングと対象を絞った地域に対して行うため、各段階による避難情報の発令時間や対象エリアがそれぞれこの災害では違っておりましたが、合計数の方でお答えさせていただきます。

 まず、避難準備・高齢者等避難開始の発令時は避難対象エリア人口2万1,783人に対しまして21人の避難者、次に、避難勧告の発令時には避難対象エリア人口9,874人に対しまして41人の避難者、次に、避難指示の発令時には避難対象エリア人口2,153人に対しまして8人の避難者となっておりまして、いずれも1%に満たない避難率となってございます。

 次に、令和2年10月台風災害になりますが、避難準備・高齢者等避難開始を香南市全域に発令しまして、そのときの避難対象エリア人口3万3,149人に対しまして28人の避難者となっており、こちらも避難率は1%未満となってございます。

 続きまして、避難開始発令時の対象エリア人口と開設と避難者の許容人数の関係についてお答えいたします。

 先ほどのご質問の中で2つの災害をお答えさせていただきましたが、その中で平成30年7月豪雨災害の方では、夜須川が氾濫危険水位を超過したことによりまして、夜須町南部地域に避難指示を発令いたしました。この避難指示発令時の避難対象エリア人口は2,153人でありまして、このときには夜須公民館と夜須中学校体育館に避難所を開設いたしましたが、それぞれの施設での収容可能人数は、夜須公民館が114人、夜須中学校が303人、合計で417人の収容スペースを確保してございました。

 以上でございます。


◯林道夫議員

 ありがとうございます。今お話にあった限りでは、一応、開設した避難所のキャパで、実際に避難されている方を対応できているという感じになります。これを実際の避難ということではなくて、情報という意味で判断すると、何か自分たち、避難指示等が出て、開設する避難所が小規模であったりするとか、何かあんまり避難しなくてもいいのかなみたいな、そういう心理的なものというのも働くかなというところで。

 今、課長の方の答弁の中にもありましたけど、2018年の西日本豪雨、これについては大変広い規模なんですけども、全国で約860万人に対して避難勧告なり避難指示の情報が出されて、それに対して実際に避難された数というのが4万2,000人、0.5%以下というふうに言われております。

 また、実際、人的な被害が出ました広島市では、災害が起きた後に避難指示を出した地区に対してアンケート調査を行った結果、実際、避難指示を出したエリアに対して避難行動を起こした、これは避難所に避難したということだけではなくて、避難行動を起こしたという人の割合が22.1%と。

 その避難された方が何をきっかけに避難をされたかというような設問で、行政からの情報であったりとか気象庁、天気予報の情報とかよりも、ふだんよりも雨の音がもう激しくて怖かったからとか、近所の川とか水路の水位が、もうマンホールから吹き出している、そのような自分が見聞きしたことに対して避難行動に移っているというふうな結果が出ております。

 一方、行政の方は、かつて九州北部豪雨であったりとか茨城県の鬼怒川、あちらの方のときに行政からの避難指示が遅れたことで甚大な被害につながってしまったということで、内閣府の方が平成26年に、避難勧告、避難指示等の運用に当たっては空振りを恐れずに、自治体は積極的に避難指示等を出しなさいというような通知を出しております。その結果、もう最近の各災害、危険性がある場合というのは、自治体はどんどんどんどん広いエリアに対して避難勧告、避難指示というのを出していく傾向があるかと思います。

 今回この改正によりまして、避難勧告がなくなって避難指示になりましたね。言うたらリーチがなくていきなり上がりみたいな、というか予鈴がなくて本鈴みたいなところがあるんですけども、これをまた、この運用に従って、もう空振りを恐れずということで避難指示を出していては、なかなか、オオカミ少年じゃないですけど、だんだん市民の方の意識というのが希薄化していってしまうのではないかという心配もあるわけですけども、今後この避難指示という形1本になってきた場合に、今までのように空振りを恐れずということだけではなくて、やっぱり出すタイミングというかエリアをどういうふうに指定するかとか、それを伝える情報をどうするかというようなことをやっぱり考えていないと、今まで避難勧告を出していたものを避難指示という形にしていくと、なかなか市民の意識が低下していくのではないかというところもある。この点についてはどのようにお考えでしょうか。


◯防災対策課長

 ご質問にお答えいたします。

 災害時には、現在、防災行政無線放送や携帯電話の緊急メールなどによりまして避難の呼びかけをしてございますが、実際は、過去に災害など発生したことがないので我が家は避難しなくてもいいだろうとか、仮に地域で、地域ごとに避難勧告、避難指示を出しておりますので、地域の中には危険性の低いところもありますので、そこへお住まいの方なんかも避難しないということで、先ほどのお答えのように、これは香南市にとってだけではありませんが、実態としまして避難者が大変少ないというのは現在の状況になってございます。

 ただし、こうした課題を解決するためには、なかなかいわゆる特効薬的なものがございません。そうした課題を解決するためには、日頃から地道な活動にはなろうと思いますが、各地域へ出向きまして、いわゆる防災学習などの出前講座などを継続的にやっていくことが大切ではないかなというふうに考えております。

 また、本年度は防災・減災ワークショップなどを開催するようにしておりますので、その場所におきましても改めて避難行動の重要さといったこともその場で議論していただきたいと考えてございます。

 以上でございます。


◯林道夫議員

 ありがとうございます。本当、課長が言うように、なかなか行政が出す情報をいかに市民の方の行動に結びつけるかというのは大変難しい課題ではあると思うんですけども、4点目の方に移らせていただきますけども、本当にこの避難率というのを上げていくことで何らかの対策を取らなければ、人的な被害の抑制というのはなかなか図れないところがあると思うんです。

 特に高齢者等、避難等に非常に時間がかかったりとか支援者が必要だったりという方については、今回、レベル2でいろいろな準備をされて3で避難というところで、昨日の宮崎議員の質問の中にもありましたけど、やっぱり災害等に巻き込まれる高齢者等の割合というのは一般の方よりも高くなっているところがありますので、ここをどうにか対応していかなくてはいけないところだと思うんですけども、今後、高齢者等の避難を実際の避難行動に結びつけるためにどのような取組をお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。


◯防災対策課長

 ご質問にお答えいたします。

 まず、避難情報における高齢者等とは、避難を完了させるのに時間を要する在宅または施設利用者の高齢であり介護が必要な方や、また、障害をお持ちの方、また、その方の避難を支援する方々となっておりまして、この方々が避難行動要支援者というふうになってございます。

 次に、避難行動要支援者の避難行動の実効性を高めるためには、災害対策基本法で作成が義務づけられております避難行動要支援者名簿を活用しまして、避難の支援を有効に機能させることが必要となってきます。

 そのためには、平常時から地域の支え合いのネットワークなど地域の福祉活動と連携し、避難支援等に当たっては誰がどのような手段で支援していくのかといったことを明確にしまして、地域全体で実効性のある支援体制を構築することが最も重要となります。

 こうしたことから、今回の災害対策基本法の改正によりまして努力義務化されました個別避難計画の策定や、また、地区防災計画の策定などにつきまして、自治会、自主防災組織、消防団、福祉関係者、また、福祉事務所などとも連携を図り、避難行動要支援者の的確な避難行動に結びつけるための取組を今後も行っていきたいと考えてございます。

 以上でございます。


◯林道夫議員

 確かに、本当に、実際に避難行動に結びつけるためには、地域、また、ご本人とかの意識を高めるための今後取組というのをしていかなくてはいけないんですけども、先ほどアンケートを紹介した中でも、行政の避難情報よりも自分の、雨の音であったり近くの水路の水位であったりとかいうようなことを結構避難のきっかけにされているというような人が多いというふうなことなんですけども、そこで、避難スイッチとかというふうな言葉も言われているんですけども、やはり、実際、水位であったり雨の音で逃げるのがいいのかどうかという話でもありますけども、そこで、自分がなぜ、どの時点で逃げるのかということが、やっぱり個々人とか地域の自主防であったりとか、そういうようなところでしっかりと、自分がどのタイミングで逃げるのかという基準をつくっていくというようなことも必要だと思います。

 そういうようなワークショップであったり、そんなことも取り入れていく必要もあろうかと思いますし、また、自治体によっては、避難所で自分は生活ができるんだろうかというような不安があって避難所になかなか避難しないとかいうようなところもあって、お試しじゃないですけども、平常時にちょっと避難所に行く訓練というか、避難所ピクニックみたいな感じの名前をつけているところもありますけども、そんなような避難訓練、実際の避難を体験してみるようなことをやっているところもあったりする。そのような取組というのは今後ご検討、避難スイッチの研修とこういう避難体験、このようなことも検討いただく考えはありますでしょうか。


◯防災対策課長

 ご質問にお答えいたします。

 先ほどご提案いただきました避難所に不安がある方の訓練ということになってこようと思いますので、確かに、行ったことのないところへ急に行けと言われてもなかなか足が向かないといったこともあろうかと思いますので、今後また自主防災組織などとも協議しまして、どのようなやり方が最も本市にとって合うのかといったことなどもこれから順次行いたいと考えてございます。

 以上でございます。


◯林道夫議員

 ありがとうございます。それでは、5点目の方に移りますけども、今般の改正によりまして、避難情報のことだけではなくて、市町村が参考にすべきとされている内閣府の避難行動要支援者の避難行動の支援に関する取組指針というものも改訂されております。

 その中身を見てみますと、条例への規定を検討すべき事項であったりとか、各市町村の地域防災計画に盛り込むべき事項というようなものも幾つか挙げられているわけですけども、この指針の主な変更内容と本市の計画への反映スケジュール、そういうものがあるようでしたら教えていただきたいと思います。


◯福祉事務所長

 林議員のご質問にお答えいたします。

 主な変更点としましては、災害対策基本法への個別計画作成の努力義務化について記載が追加されたことに伴い、取組指針において個別計画作成の様式例や留意事項、また、計画の避難支援等関係者への情報提供等に関する記載が追加されるなど、具体的な個別避難計画作成の取組指針が示されております。

 香南市としましては、細かいところは幾つか変更も出てくると思いますが、努力義務となる以前から個別避難計画作成の取組を進めてはいましたので、今回の改訂に伴いまして大きな取組の変更は特に予定はしておりません。

 以上です。


◯林道夫議員

 ありがとうございます。この指針の中身の中に、先ほども言いましたけども、条例に盛り込むことを検討すべき事項というところの中に、例えば災害時要援護者名簿ですか、それの情報収集であったり更新に当たって各課の情報というのを横断的にやれるように、マイナンバー、個人番号の利用をするための条例改正であったり、また、名簿の情報であったり個別避難計画の情報をどこまで外部に出すかとか、あと、それらの情報の漏えいについてとかいうことに関しても規定すべきというようなところが書かれているかと思うんですけども、これらはやっぱり本市としても個人番号というようなこととか情報漏えいのこととかというのをやっぱりしっかり規定していかないと、今後、計画策定とか名簿の情報等をどう取り扱うかとかいうところを考えていくためには、しっかり規定していく必要があるかと思うので、その点についてはいかがでしょうか。


◯福祉事務所長

 ご質問にお答えいたします。

 この改正につきましてはこの5月に改正されまして、個人情報の漏えいとかそういった部分についてはこれから考えていかないかんところではあると思います。

 今現在、香南市の方では要配慮者支援システムというものを取り入れておりまして、それで関係する課の情報が大体1日遅れで更新されていくこととなっております。それについて、名簿の日頃の管理については機械化されておるといった状況でございます。それについて、どのように外部に出していくかというところで、まず、進め方としまして、その対象者、要支援者について情報を支援者に出してよいのかという、そういった同意をいただいております。その同意をいただいた方について現在、民生委員さんとか地区の自主防組織へ名簿をお回しするというところにしております。

 また、計画を作成しまして、個別計画を地域と共有するときにつきましても、要支援者の承諾をもらった上で、地域と覚書を交わして地域へお渡しするというようにしております。条例にとかいう部分はこれからちょっと検討していきたいと考えております。

 以上です。


◯林道夫議員

 ありがとうございます。そういう、円滑にそのような名簿であったり、そういう情報提供とその管理、それが行くようにまた研究をお願いいたします。

 次の6項目めに移りたいと思います。今回の改正によりまして、市町村の個別避難計画の作成というのが努力義務というふうに規定されまして、それとともに、計画策定に当たっては優先度をつけて、おおむね5年以内に完了するというようなことまで書かれているわけであります。

 なかなか本市にとっては高いハードルかなというところもあります。その推進方法については、昨日の答弁で一定、理解はしたけど納得はできない部分もあったような部分も含めて、理解はしました。

 昨日のご答弁の中で、香南市の場合には浸水エリアですか、そちらの方を重点的に計画作成をしていくというふうなご答弁があったかなと思いますけども、今回その指針の改訂に当たり、優先度の判定というのは、当然、津波であったり土砂崩れだとか洪水とか、そういうハザードという部分と、あと、もうご本人の体の状態であったり支援の必要度、また、独居であるとかそういう社会的孤立状況などを判断して優先度を決めてくださいということで、津波というと本当に一たび来ればなかなか甚大な被害ではあるんですけども、昨今のスーパー台風であったり線状降水帯、ああいうものというのが、昔は本当に数十年に一遍とか10年に一遍とかと言われていたものが、年に一遍とかもう年に数回とかいう頻度で災害が起こり得るような状況になってきている場合に、やはり津波だけではなくて、土砂崩れの警戒地域であったりとか河川の地域とかに住まわれている要援護者、その方の必要度、優先度というのもやっぱりしっかりと把握して計画を立てておくことが必要だと思うんですけども、その点において優先度を一定、基本はそれは津波エリアということは全然構わないと思うんですけども、それ以外の地域の方の優先度というものも加味する必要があるのではないかと思いますけど、その点についてはいかがでしょうか。


◯福祉事務所長

 ご質問にお答えいたします。

 高知県におきましては、令和6年度までにレベル2の津波浸水区域の個別計画を完了することを目標としておりまして、香南市の方におきましても、県の計画に基づいて津波浸水区域などの計画作成に取り組んでおるところでございます。

 今回の改訂により、優先度の高い避難行動要支援者について、地域の実情に応じて5年程度以内に作成するようにということになっております。県の方でも数値目標を挙げておりますのは、今現在、土砂による災害の方よりは津波の方を優先しております。

 それに基づいて香南市がつくっておりますが、おおむね5年程度を目標としております計画について、香南市の方では2023年までということで、3年間を想定しております。当然、山間部の土砂災害についても、そこの要支援者について計画を作成しないといけないというふうに考えておりますので、まず津波浸水区域を早く終わらせて、それから土砂の方に移りたいと思っております。

 ただ、地域の方でやはり自主防の方で早急につくりたいというお声がありましたら、同時進行で、そこは柔軟に対応していきたいというふうに考えております。

 以上です。


◯林道夫議員

 ありがとうございます。豪雨被害の起きないことを望むばかりという感じのところもありますけど、ただ、今言われたように、地域の方から言われた場合には積極的にこのような個別避難計画の作成にも取り組むというふうなご答弁だったと思います。今回の指針の中にも、行政が主体となって作成する個別避難計画以外にも、本人や地域、これは自主防災組織等だと思いますけども、が記入する個別避難計画の作成についても活用して推進すべきというような記載もあるわけであります。

 これ以前も自分、質問させていただいたんですけど、なかなかやっぱり東日本大震災等、大きな、支援に入った方が一緒に被災してしまうというようなケースもあって、障害のある方もなかなか支援者をお願いしにくいというような現状もあったりとかして、当然、地震、津波が迫っている中で支援というのがどうできるのかという地域の方の不安もあったりして、そうすると、いきなり津波を想定した個別避難計画というのはなかなか進みにくいところがあると思いますけども、マイタイムラインという、言うたら豪雨被害とかに関してはタイムライン的に、ある程度経過を、時間を追って災害の危険度というのが見えていますので、そのようなものを想定して地域で、先ほどので言うと、レベル2のときに誰々さんが家に行って準備をして、レベル3になったら誰々さんがとかという、そういう豪雨被害等を想定したものを先につくって、そのことで支援者と関係性というのができて、そこを基本としてバージョンアップしていくという形を取っていくというのも推進方策の1つではないかと思うんですけども、マイタイムラインということと本人と地域が記入した個別避難計画の推進ということについては取り組んでいくお考えはありますでしょうか。


◯福祉事務所長

 ご質問にお答えいたします。

 当然、ふだんの毎年の風水害等についても同時進行で進めていく必要があると思います。今、個別計画の内容としましては、風水害のときの避難場所であるとか、それから、地震のときの避難場所も当然違うわけでございます。それで、避難経路についてもそれぞれの状況に応じて違いますので、そこら辺も地元の、地域によって事情も異なりますので、地域の自主防と話して進めていくというふうにしております。

 今現在、スピード感を持ってやるために、基本的な計画については行政の方で進めておりますが、今後、計画の見直しであるとかそういったところを、やっぱり地域の実情に応じた、地域の自主防等で協議していただいたらというふうに考えております。

 以上です。


◯林道夫議員

 とにかく、個別避難計画の作成というのはなかなか高いハードルですけども、地域とかの理解も得ながら推進していただけたらと思います。

 7点目の質問に移ります。指定福祉避難所に関してですけども、まずは現在の指定状況と受入れ人数のキャパ、それと今後の確保計画についてまずお聞かせいただきたいと思います。


◯福祉事務所長

 ご質問にお答えいたします。

 現在、香南市では10か所の社会福祉施設を福祉避難所として指定しており、194名を受入れ可能人数として予定しております。香南市で避難時に支援が必要と思われる避難行動要支援者は令和3年5月1日時点で773名。中には一時避難のみで在宅が可能な方や親族の支援がある方もいると想定されますが、一方で、災害の被害状況や避難の長期化等によっては福祉避難所が不足することも想定され、県下的にも課題として挙げられております。

 社会福祉施設での受入れ人数につきましては福祉避難所連絡会において施設の方と協議しておりますが、スペースや人員の関係もあり、今以上の増加は難しいと考えております。

 今後は受入れ態勢の確保に向けて、一般避難所の要配慮者スペースでの受入れ態勢の充実や、新たな福祉避難所として公共施設の利用の検討、また、個室が必要な要配慮者に対して民間の宿泊施設との連携などの必要があると考えております。

 以上です。


◯林道夫議員

 ありがとうございます。現在のところ約25%ぐらいですか、の方が避難可能な施設が確保されているということですけども、次の8の方に移って、併せて再質問させていただきます。

 5月20日には指定福祉避難所の確保・運用に関するガイドライン、こちらの方も改訂されておりまして、これは過去において指定福祉避難所ということが言われ始めて、いろんな災害のたびに設置されるんですけども、思うような運用というかができていないということから、それぞれの東日本大震災以降の運用の課題というものが挙げられております。

 特に、そこに書いてありますけども、やっぱり指定福祉避難所に指定しても、そこの支援する人材の確保であったりとか、また、一般避難所に避難された方が福祉避難所に避難するわけですが、その時点でスクリーニングするんですけども、それもやはり受け入れる指定福祉避難所のキャパであったり、そういうことにも関わってくる、変動してくる、スクリーニングの基準というのが関わってくる。

 また、多様な要配慮者に対応するというのは福祉避難所ではなかなか難しい。これが、その一方では、先ほどのスクリーニングの問題とも関わってきますけども、現在避難できる福祉避難所のキャパが小さければ地域の避難所で要配慮者を受け入れるということになってくると、そこでもやはり多様な障害の方であったりとか要配慮者に対応が求められるということになります。あと、地域の避難所ではなくて、直接、福祉避難所に避難される方というのも出てくるかと思います。それらの問題というのも、今後運用するに当たって、やっぱり香南市としてもしっかりと検討しておく必要があると思います。この点についてはいかがでしょうか。


◯福祉事務所長

 ご質問にお答えいたします。

 現時点で、福祉避難所と協定は結んでおりますが、支援者の確保であるとか要配慮者のスクリーニングや対応について具体的な取組ができていない部分については、要配慮者対策部会や作業部会で協議し、また、県や防災対策課、地域福祉避難所とも連携しまして、課題の解決に今後取り組んでいく予定でございます。また、要配慮者の方が避難時に必要となる様々な支援につきましても、一般避難所の受入れ態勢の強化や広域福祉避難所との連携による支援を検討していきたいと考えております。

 福祉避難所への直接の避難につきましては、まずは避難すること、これを最優先に一般避難所へ避難するようお願いしたいと考えております。

 今後の取組としましては、新たに福祉避難所として機能できる施設等の確保を検討してまいります。

 以上です。


◯林道夫議員

 そうなんですね。とにかく、今後の確保というのはなかなか難しい部分もあって、そうなると結局、地域の一般の避難所で受け入れるということになってくるので、その辺り本当、部会の方で検討されるというお話で、いくということと、当然、本市だけで解決できることではないので、県であったり関係団体等との調整というが必要だと思うんですけど、なかなか本当に難しい問題が多いと思いますけども、いざというときにしっかりと福祉避難所が活用できるように準備をお願いしたいと思います。

 これで1項目めの質問の方は終わらせていただきます。

 

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