SDGsに則し太陽光発電システムの延命かと適正廃棄への誘導を!

【質問の要旨】 (1) メガワットソーラー共同利用モデル事業について  ①本モデル事業により導入した太陽光発電システムの市公共施設・民間事業所における契約内容と契約期間は。  ②再生可能エネルギーの固定価格買取制度では事業用太陽光発電10キロワット以上については、廃棄に必要な費用を想定することとされているが、本モデル事業導入時における廃棄費用の考え方は。  ③本モデル事業での公共施設設置分の今後のメンテナンス、修理、交換、撤去等の考え方は。 (2) 家庭用も含めた太陽光発電システムの延命化と適正処分  ①耐用年数は太陽光パネルが20~30年、パワーコンディショナーが10~15年とされているが、一般住宅用及び民間事業所用システムの延命化に向けた支援制度はあるか。  ②・利用終了した太陽光発電システムの適切な撤去・処分に向けた支援策はあるか。 (3) 太陽光発電認定事業者への対応  ①香南市内における20KW以上の太陽光発電認定申請事業者数は。  ②設置以前に市が事業内容の確認・指導等を行う機会はあるか。  ③地域住民の不安解消のための説明会等の開催状況は。  ④設置後の法令・ガイドライン・条例等の遵守状況の確認は行われるか。 【質問と答弁】 ○林道夫  本市の環境基本計画においても、市民や事業所等への太陽光発電等の普及推進により、二酸化炭素の排出制限の推進を掲げている。  平成18年からは、環境省のメガワットソーラー共同利用モデル事業に参画し、公共施設や事業所等への太陽光発電の設置を推進し、平成24年からは、住宅用の太陽光発電の設置についても本市として補助金を出して推進をしてきた。  しかしながら、事業当初に設置した方は、もう15年近くの年月が経過することで、パーツの保障であったり買取価格の低下、FIT制度の見直し等々、様々な状況が変わってきて、当初の設置者は転換期を迎えているかと思う。  市としても太陽光発電の普及ということを推進してきた以上、やはりこの転換期についても一定検討すべきことがあるのではないか。  最初はメガワットソーラー事業についてだが、有限責任事業組合よさこいメガソーラーが事業主体となり、平成18年から3年間で、事業所等の太陽光発電の設置を促進することで、県内で1メガワットの太陽光発電の設置を推進したものであり、本市も積極的に参画して、3年間で392キロワット。公共施設で178キロワット、事業所で214キロワットの太陽光発電を設置した。  まず、本事業の概要と当初の契約内容。各事業所とよさこいメガソーラー、電力事業所等との契約の内容等について説明を。 ○環境対策課長  市内の公共施設13ヶ所の契約については、平成18年度に6ヶ所分、平成19年度に3ヶ所分、平成20年度に4ヶ所分を各年度でまとめて香南市と有限責任事業組合、YOSAKOIメガソーラーで太陽光発電サービス契約書を締結しており、契約期間はそれぞれ年度当初から十年間となっている。  契約の内容は、事業実施主体であるよさこいメガソーラーが香南市に対して、太陽光発電システム整備の対応と保守管理を行うと同時に、設備等により発生するエネルギーの提供を行ってきた。発生した電力については、香南市が四国電力に売り渡し、売電収入がえられる仕組みとなっていた。  民間事業処分については、設置事業者の募集に関して、国の事業の推進のため、高知県及び香南市も問い合わせ先に含め周知を図っていたが、契約に関しては事業主体であるYOSAKOIメガソーラーと民間事業所での直接契約であったため、本市ではその契約内容は把握していない。 ○林道夫  平成24年からの再生可能エネルギーの固定価格買取制度では、出力10キロワット以上の太陽光発電については廃棄費用も検討しておくこと。つまり高く買うけれどもその中には廃棄費用分も含まれてるので、事業所等でそれぞれ積み立てるなりしてくださいということになった。  メガワットソーラー導入が18年ということで、FITの導入以前ということになるが、設置当初の廃棄等の考え方はどのようなものだったのか。 ○環境対策課長  廃棄費用については、平成22年4月に再エネ特措法が改正され、太陽光発電10キロワット以上の事業所においては、2022年7月から、太陽光発電所の将来的な廃棄・撤去に要する費用を積み立てることが義務化された。  本モデル事業導入時にはそういった決まりはなかったが、当時の有限責任事業組合よさこいメガソーラーとの太陽光発電サービス契約書において、10年間とする契約期間満了後の設備等の処分に関して、三つの方法から選択できるとされていた。  一つ目は、本契約の継続。二つ目は、設備の所有権を市が買い取る。三つ目は、市が設備の撤去費用を負担し、設備を返却するとあり、香南市は10年後に買い取りを選択し、それにより今後撤去する際には、撤去処分費用を負担することになる。 ○林道夫  10年間の契約ということで本市のよさこいメガソーラーとの契約も終了してるかと思うが、今後、香南市の設置した太陽光発電システム等が故障した時の延命化や修理、撤去等については、費用的な面ではどのような考え方でいるか。 ○環境対策課長  本モデル事業では、平成18年度から平成21年度に設備が設置されており、18年経過しているものもあるが、モデル事業のものは不具合の報告は受けていない。  今後のメンテナンス、修理、交換、撤去等については、発電設備の不具合箇所の状況やその対処方法及び経費など、費用対効果を含めて、総合的に判断するとともに、公共施設マネジメントの状況も踏まえながら対応を考えていくことになる。 ○林道夫  ここからは住宅用の太陽光発電も含めた質問だが、一般的に太陽光発電システムの耐用年数というのがパネルが20年から30年、パワーコンディショナーで10年から15年と言われている。香南市は特に塩害とかも受けやすいところでもあり、当初に設置した方々は、機器の故障等も気になる。なおかつ、買取価格も低下してきて、今後どうするかを考える方もいる。  やはり環境負荷のことを考えれば、できるだけ長期に使用してもらうことも大事な考え方だと思うが、かといって、このパワーコンディショナーの交換費用や自家消費に切り換えるための蓄電池等の購入費用もなかなか高額である。  当然、市としても設置を推進してきたところもあり、できるだけ長期に活用してもらいたいという方針もあるかと思うが、長期使用に向けた市としての支援策は考えられないのか。 ○環境対策課長  資源エネルギー庁策定の太陽光発電に係る事業計画策定ガイドラインの中で、保守点検及び維持管理に関する計画の策定及び体制の構築を見込んだ事業計画を立案することとされており、本市としても、このガイドラインに沿って適切にシステムの維持管理が行われるべきものと考えている。  延命化に向けた支援制度については、現在、国・県においてもない状況であり、本市単独での支援制度も考えていない。 ○林道夫  自治体によっては、蓄電池の購入やパワーコンディショナーの交換に対する助成をしているところもある。せっかく設置したものを長期に活用してもらうということが、環境負荷を軽減するということにもなるので、情報提供も含めて、今後、支援策も検討いただきたい。  次に、機器の故障等が生じてきた時に、やはり修理も高額になる。また、当初に導入した家庭では、当然、撤去費用の積み立てといっても日々の生活がありやはり積み立て等もできてないと思われる。環境負荷低減という目的で設置しているものなので、やはり残念ながら廃棄等する場合においても、放置や不法投棄などを抑制し、適切に廃棄されることが本市の環境基本計画にも準ずるものかと思う。市としての方策等はあるか。 ○環境対策課長  撤去処理については、再生可能エネルギーの固定価格買取制度では、適正処理を促すという観点も踏まえ、授業用太陽光発電10キロワット以上については、廃棄に必要な費用を想定した上で、認定申請の際に、廃棄費用を盛り込んだ事業計画を立案することとされている。  また環境省では可能な限りリサイクルを行うことが望ましいとのことから、使用済み太陽光発電設備の既存の法制度や留意事項といった基本的な事柄を整理した太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドラインというのを、平成30年に作成しており、利用終了から解体・撤去、収集運搬、リサイクル、埋め立て処分、リユースまでの処理の流れが記載されており、本市としても、このガイドラインに沿って適切に処理が行われるべきものと考えている。  今後耐用年数が経過し、使用済みとなった太陽光パネルの廃棄が急激に増えてくると、受け入れ先が不足する事態も想定され、また、発電事業の終了後も、太陽光発電設備がそのまま放置されたり、不法投棄されるのではないかと懸念されるところである。  撤去処分に関しては、現在国・県においても支援制度はないが、非常に大きな課題ということから近い将来、国や県においても検討がなされるものと考えている。  本市としても、国等の動向を注視しながら、近隣自治体、特に香南・香美・南国市は定期的に意見交換する場があるので、ともに研究していきたいと考えている。  また、撤去処分に関して、市民から相談を受けた際には、市が持っている情報を提供するなど、対応していきたい。 ○林道夫  やはり当初導入した時期から15年~20年ということになってきて、今特に物価高や電気代の高騰、買取価格の低迷等もあり、更新するか廃棄するかというところもどんどん出てくると思うので、情報提供もしっかりしながら、対策について近隣とも足並みも合わせる必要もあるかと思うが、検討をお願いしたい。  最後は、太陽光発電事業を主とする認定事業者についてである。香南市内においても空き地や斜面等に複数の太陽光発電パネルを設置して、発電等を行っている事業所が見受けられる。  当然、多くの事業所については、適切に運営・管理をしていると思っているが、他の自治体などでは土地の問題や雑草、水の問題等、地域との対立が起きている事例もある。  本市として太陽光発電を推進している以上は、適切な運用を促し地域の理解も促進していくことが大事かと思うが、まずは、本市における20キロワット以上の事業を行っている指定事業所の数はどれくらいか。 ○環境対策課長 経済産業省で公開されている太陽光発電20キロワット以上の香南市の認定申請事業者数は、令和6年4月30日現在で135件、229室となっている。 ○林道夫  各事業所・事業主体によって面積は様々かと思うが、このような太陽光発電事業を行う場合、市が事前に内容等を確認して指導等を行う機会はあるのか。許認可は県等になるかもしれないが、面積要件等があれば説明を。 ○環境対策課長  太陽光発電は再生可能エネルギーに位置付けられ、発電設備で発電した電気を供給する場合は、再生可能エネルギー発電事業の実施に関する計画を作成し、経済産業省の認定を受ける必要があり、国においてそのガイドラインが定められている。その中で、太陽光発電設備を設置する事業者は、発電設備を設置する土地を管轄する自治体に対し、説明会の開催や個別訪問など、地域住民と適切にコミュニケーションを図るべく、事前に相談するよう努めることとされている。  事業者から市に対して相談があった際には、事業内容を確認し、事業者へ説明会の開催や、その配慮すべき地域住民の範囲などについて助言している。  また、県が定めたガイドラインでは、出力50キロワット以上の施設を設置する事業者は、市町村へ事業内容の概要書を事前に届け出る必要があり、届け出があった際には、市で定めている関係条例、規則、要綱などを確認し、必要となる手続きを事業者へ伝えている。  また、県の定めている条例や規則、要綱などにより、必要な手続きもあるので、関係する県の担当課へ必要な手続きをしてもらうよう、事業者に伝えている。 また、市に提出された事業概要書は市から県へ情報共有し、県から国へ情報共有される仕組みとなっている。 ○林道夫  説明してもらったようにガイドライン等に沿って地域住民等への説明会等も必要に応じて開催するということのようだが、現在までに実際に香南市内でこの着手前、または設置後等に住民説明会等を行ったケースはあるか。 環境対策課長。  説明会の要件についてはガイドライン等に従う必要があり、基本的に事業者主体で説明会が行われ、事前に市に相談しているケースがほとんどだと思われる。あくまでも事業者主体であるため、市を通さずに行われているケースがあるかもしれないが、現在、市が把握しているのは、香我美町下分で計画されている事業のみである。  この件に関しては、地元住民から行政も、説明会へ同席して欲しいとの申し出があり、本年4月21日に山南地区、4月23日に山北地区で行われた説明会に市の担当者も同席している。 ○林道夫  先ほどの説明では、事前に市で確認し、必要に応じて説明会を開催するということだったが、今回についても、住民から行政も立ち会って欲しいという声があったということだが、この辺を事前に積極的に市が把握できる仕組みなどはないのか。  今後、市として地域の住民や地域の環境負荷等の影響を随時、法令やガイドライン、条例等の遵守状況の確認等も一定行う必要があるかと思うが、先ほどの住民説明会のことも含めて、もう少し積極的な関わり方が考えられないのか。 ○環境対策課長  国の定めたガイドラインでは、設置後も国に対して、定期的な報告義務が課せられており、事業者が定期報告を守らない場合は、国からの指導や認定取り消しの対象となる可能性もあると、いうことになっている。  また、県のガイドラインには、設置後の確認についての定めはないが、事業所の対応が不誠実であると判明した場合は、県から国に対して違反事例として報告されることがある。  市においては、その概要・計画書等を見て、その中で気になる点があれば、十分連携もしながら確認もしていきたい。また、地域住民から問い合わせ等があれば、県にも状況を報告しながら対応していきたい。 ○林道夫  FIT制度では、地元自治体の条例等を遵守するということが謳われているわけだが、実際にそのような基準を定めた条例を定めている自治体の数はまだまだ少ない。現段階で、即条例化ということでもないが、今後、大規模な発電等の事業申請が出てきたときのためにゆくゆくは土地基本条例や環境基本条例等の基準の見直しや条例化の検討等もお願いしたい。 太陽光発電等は地球温暖化防止のために必要なものだが、やはり設置の時だけではなく、製造から廃棄に至るまでを考えたトータルのコストや二酸化炭素の排出量等を考えて、設置したものは適切に長期に運用していただき、廃棄も適切にしてもらうことが大事だと思う。市としても市民や事業者が迷わないように様々な情報等も出し協力を得ながら、SDGsに即した持続可能な香南市を目指していただくことを願い、質問を終了する。

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