市内事業所の介護人材不足の状況と支援策は

【質問の要旨】 介護人材不足について (1) 市内介護事業所に置ける人材不足の状況は。 (2) 現在策定中の第9期介護保険事業計画におけるサービス事業量の見込み量やサービス基盤整備への影響は。 (3) 事業所の人材確保に関する国や県の支援策は。 (4) 市における支援策の検討は。 【一般質問本文】 ◯林道夫議員  現在、我が国では様々な業種、職種において人材不足の問題というのが深刻になっております。高知県においても、この8月に四銀地域経済研究所というところが景況調査の結果というのを発表しておりますけども、調査を行った事業所の約75%で人手不足というような回答があったということであります。  特に運輸、サービス、建設業とかではその傾向が顕著であったわけですけども、介護分野においても人材不足の問題というのは大変深刻なところに来つつあります。  この要因としては、少子高齢化等による労働人口の減少というのはどの業種にも当てはまることですけども、それと介護職種に対するイメージであったり、意識があまりよくなかったりとか、あとは離職率の高さなどがその要因というふうに言われております。  高知県においても、介護難民と言われて、介護が必要な状態になっても、ケアマネがおらずにケアプランが立てられないとか、ケアプランを立てても、サービスを提供する側のヘルパーさんの確保等ができずに、思ったようなサービス提供ができないというような状況が起きている市町村も出始めていると聞きます。  そこでお伺いをしますけども、本市の介護事業所における介護人材不足の状況についてはどのようになっているのか、把握をされているようでしたら概要についてご説明をお願いします。 ◯高齢者介護課長  現在策定している第9期介護保険事業計画の事前調査として、令和4年度に介護人材実態調査を実施しました。この調査は、介護人材の確保・定着に向けた支援策を検討するために、南国市、香美市、香南市の3市合同で地域内の介護サービス事業所の雇用実態などを把握するものであります。  調査の結果は、香南市29事業所、介護職員294人の性別、年齢別の雇用形態では、男性は30代の13%、女性は40代の18%の年齢層が最も多く、また、女性の割合が過半数以上を占めております。  また、過去1年間の採用・離職の状況では、離職者の57人より採用者の82人が多い状況ですので、現時点で、介護不足が原因でサービスの提供に支障が生じている状況でないと考えております。  なお、20歳代男女の雇用割合が全体の14.6%と低く、今後サービス利用の増加傾向や担い手の高齢化を考慮すれば、例えば10年後のサービス提供体制が懸念され、若い世代の雇用確保と介護職員の定着が重要になってくると考えております。 ◯林道夫議員  現在のところ、香南市においてはそれほど顕著な人材不足の状況というのはないようですけども、先ほども言いましたけども、県内ではそういうような状況等も出てきているので、課長も今言われましたけども、今後はそういうことというのは2040年問題とか、そんなことでいろいろ起こってくるかと思うので、やっぱり状況が起きる前にいろいろしっかりと備えておくことが大事かと思います。  そしたら次に移りますけども、現在、第9期の介護保険事業計画というのを策定していますけども、この事業計画の中では必要なサービス見込量というのを算定するわけですけども、これは要介護者、要支援者の人数であったりとか、要介護度の分布であったりとか、そんなものをワークシート等に入れて、必要なサービス量というのを試算するような形ではないかと思います。  それに対して基盤整備の目標を立てるときというのは、それぞれの事業所が100%の人材確保ができた上で提供できるということを前提で計画を立てていくのではないかと思います。  現在、香南市においては、取りあえず人材不足の状況についてはどうにかカバーできているということなんですけども、先ほど課長が言われたように5年、10年とかいうスパンになってくれば、なかなか難しいこともあろうかと思います。  この介護人材不足の状況というのが、第9期の計画策定に当たって、どのような影響があるのか教えていただきたいんです。 ◯高齢者介護課長  先ほど答弁しましたとおり、現時点で介護人材不足が原因でサービス提供に支障が生じる状況でないと考えていますので、第9期計画期間である令和6年度から8年度までの3か年の短期間では、サービス事業量の見込量やサービス基盤整備への影響はないと考えております。 ◯林道夫議員  そういう波が来るというのはある種必然というところもあったりするので、国も支援メニューというか、そんなものを出しているかと思うんですよ。高知県なんかでも出しているかと思いますし、先日の国の補正予算以降とか来年の介護の点数改正、そんなものを見越して、また新たなメニューなんかも報道とかされているんですけども、現在、国・県で介護人材不足定着に向けての支援メニューというのがどういうものがあるのか、概要をお知らせいただきたいと思います。 ◯高齢者介護課長  高知県では、介護人材の確保に向け、大きく3つの方針で取り組んでおります。  まず1つ目が、人材の定着促進・離職防止対策として、長く働くことができる職場環境づくりに向け、介護職員の身体的な負担の軽減につながる持ち上げない、抱え上げない、引きずらないケアであるノーリフティングケアの取組拡大や、介護現場の業務効率化に向けて、ICTやロボットを始めとする機器導入への補助金制度などがあります。  2つ目が、新たな人材の参入促進として、中高年齢者や元気な高齢者、子育てを終えた層、外国人介護労働者など、多様な人材の参入に向け、業務を切り分けた介護助手の普及支援や、介護未経験者に向けた介護に関する入門的研修の実施、外国人受入れの補助制度などがあります。  また、将来担い手となる若い世代の参入に向け、資格取得支援策として、介護福祉士等修学資金貸付制度などがあります。  3つ目が、人材確保の好循環強化として、事業所が福祉介護事業所認証評価制度の認証取得を通じて、働きやすさと働きがいが実感できる職場環境づくりを進め、認証を広く情報発信することで、介護の仕事への理解促進とネガティブイメージ払拭による新規参入を促進します。  高知県が平成30年度から認証を開始し、令和5年11月27日現在で40法人(260事業所)、香南市内では2法人が認証を取得しております。 ◯林道夫議員  最初の課長の答弁の中で、事業所調査では、現在のところそういうような顕著な傾向は出ていないというような感じでしたけど、県とか国でこのようなメニューが出ているということは、多分、事業所なんかはそういう事業を活用しているところもあると思うんですよね。やっぱりその波自体は確実に近づいてきているというようなことで、市もある程度アンテナを張っていただいて、小さな事業所なんかだと、新たな事業を導入するに当たっても、そこにエネルギーを割く余裕がなかったりする場合もあるので、市のほうもそういう事業所に対して十分に国とか県の事業が活用できるようにサポートするというか、それぞれの事業所がより活用しやすいように、国・県のメニューをそしゃくして支援するということも大事かと思うんですけども、今後、市としてこういう人材不足、人材定着について、特に取り組んでいくものがあればお知らせいただきたいと思います。 ◯高齢者介護課長  まず、現在市が行っている介護人材不足への取組についてお答えをします。  11月広報にてお知らせをしておりますが、介護の基本的な知識を学び、日常生活の中で活かしてもらうことを目的としまして、12月18日にのいちふれあいセンターにて、「ちょっと気になる介護のお話」と題し、一般市民対象の研修を開催します。  また、県の事業であります介護に関する入門的研修につきましても、香南市が共催し、令和6年1月に、4日間の日程で、のいちふれあいセンターにて無料講座を開催することになっております。  この研修の修了者は、訪問介護の生活援助サービスが提供できる生活援助従事者研修のカリキュラムが一部免除となり、上位研修へのステップアップにつながり、新たな資格取得を目指しやすくなります。  次に、介護人材不足に対する市の支援策の検討につきましては、高知市が中心となって今年5月に発足しました高知県中央市町介護人材連絡協議会に当市も参加させていただいており、現在、協議会への参加機関は高知県、高知市、土佐市、南国市、香美市、須崎市、いの町、香南市の8つの機関となっております。  この協議会内では、各機関で実施または検討している介護人材不足への支援策や支援案の情報共有、介護サービス事業所の現状についても情報を共有し、支援策検討の材料としているところです。また、参加機関と共同で介護に関するイベント、介護カフェなどの実施を検討するなど、自治体単体だけでなく、広域での介護人材不足への支援策も検討しているところです。  なお、林議員がおっしゃいましたとおり、やっぱり事業所さんのほうは、国からのいろんな制度改正の通知で気がつかないことがありますので、高齢者介護課としましては、日々国から通知がある様々な制度につきましては、香南市内の事業所には周知をしていきたいと思っております。 ◯林道夫議員  国のほうも今後、介護人材不足についてもDX化というか、介護ロボットの導入とかそんなメニューも出てきていたりするので、本市も情報政策課というのができて、現在は主に庁舎内というか市役所内のことですけども、行く行くはデジタル田園都市構想の中にも、地域の産業支援とかにも取り組むこととされているので、そんなところとかも連携しながら、介護事業所のDX化であったり、ロボット導入とかに市町村が支援できるような形というのを準備していっていただけたらなと思います。  本日は介護保険のことについて質問させていただきましたけども、障害者福祉であり、児童福祉であり、その部分についても、少子高齢化ということで労働力人口の圧倒的な減少というのがありますので、人材不足の問題というのは香南市の地域福祉を支える上でも本当に重要な問題なので、そういう波が来てからじゃなくて、波が来る前に各課、検討して備えていただきたいと思いますし、たとえ障害とか高齢とか不自由なことが起きても、住み慣れた香南市でいつまでも安心して暮らせるような地域づくりのために今後とも取り組んでいただきたいと思って、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

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