財源や持続性の見通しや医療費等への影響は? 医療費助成の18歳まで拡大

○香南市福祉医療費助成に関する条例の一部を改正する条例について ◯林道夫議員  今回、対象年齢を15歳から18歳に拡大するということだが、財源は全額市の一般財源(自主財源)かと思う。拡大対象の人数とどの程度の予算増を見込んでいるか。 ◯市民保険課長  対象者は約850人の拡大。予算額については、国保被保険者の対象年齢の年間医療費を基に試算し、年間1,000万円程度の助成額の増を見込んでいる。  しかし、過去のコロナ禍における医療費を試算対象としており、現在医療費が増加傾向にあるので、予算額はもう少し多くなると考えている。 ◯林道夫議員  事業の拡大や対象拡大を考えるときに、事業予算をそのままにして、自己負担や所得制限等を設けて対象者を拡大する方法も考えられるかと思うが、それらも検討したか。 ◯市民保険課長  乳幼児等医療費助成制度は、都道府県や市町村がそれぞれ単独で実施している事業であり、助成対象や助成範囲はまちまちとなっている。  全国的にも県下でも、数年前までは助成対象を18歳までとしている市町村は少なく、またその中でも所得制限や助成範囲に入院、外来によって自己負担の上限を設けるところがあった。  現在は、先に実施していたところでも制限を廃止、新たに拡充したところも制限を設けないとするところが増えている。それらも踏まえて、本市においても所得制限や上限額は設けないこととした。 ◯林道夫議員  現在、年々医療費は増加して、高齢者の窓口負担も拡大されていく流れの中で、国保も今後の県の統一化により保険料も上がっていくことから、医療費の削減ということも一定考えなければいけないと思う。今回の対象者拡大による医療費への影響等も検討したか。 ◯市民保険課長  医療費が無料になると一般的に受診が増える傾向にあり、医療費は増加すると考えられている。コンビニ受診と言われる安易な受診や過剰な検査や投薬が問題視されることがある。  一方で、医療機関にかかる機会の多い成長過程の子どもを持つ家庭にとっては経済的負担の軽減になり、安心して子育てをする環境づくりにつながると考えている。  医療費への影響等の分析は難しく、年齢が上がるにつれて受診回数は減る傾向にあるが、無料になると受診は増える傾向にあることから、一般的には医療費は増加していくものと考えている。 ◯林道夫議員  第7条に他の法令との関係という条項があり、国のほかの公的医療制度と重複する場合にはそちらを優先することになっている。インターネット等で見ると、国の公費医療制度の対象者であっても、市町村の福祉医療制度等での範囲が拡大されていると、医療機関の窓口や被保険者等が誤って、本来公的医療制度を使うべきところが、余計に福祉医療費助成制度が支出されている状況も見受けられるということだが、この点の把握や是正に向けた取組はあるか。 ◯市民保険課長  乳幼児医療費は他法優先となっているので、議員が言うように、他の公費医療費助成がある場合は、そちらが優先となる。  市では現在のところ把握はできていないが、今回の助成拡大は市単事業であり、市で確認できる公費を持っている人、生活保護や障害者医療、独り親家庭医療費助成の対象者は対象外となるので、こちらで確認を取っていく。また、新たに公費を持った人についても把握できる体制を取っていく。  今回新たに対象となる年齢の人は申請が必要なので、ほかの公費助成があるかの確認はしていく。  また、学校で加入しているスポーツ保険の対象者が受給者証を使うこともあるので、受給者証を送るタイミング等で学校の範囲下における傷病については受給者証を使わないよう啓発をしている。 ◯林道夫議員  医療機関等の窓口の事務が気づくこともあると思うので、また医療機関等への啓発もお願いする。  市長の見解を伺う。今回の事業に反対をする訳ではないが、提案の仕方に少し疑問を持つ。  今回の事業は、具体的に市民等からの要望やニーズを把握した上で提案しているのか、それとも行政報告に有ったような子育てイコール香南市というブランド化の意味合いで出してきたのか。  例えば午前中の質問にあった補聴器等の話では、ニーズ把握をしっかり行い、いろんな他の事業との精査を行い、必要な部分は国にも要望しながら検討していくという課長の答弁だったかと思う。今回のこのような事業は、議会に提案されるとなかなか反対しにくいところもあり、片や一回事業実施となれば、後から自己負担を求めるようにするなど事業の低下も難しいところもある。その面でも、財政課長が言うように、今後の事業精査や財源等をしっかり検討することが必要かと思うが、この事業の実施に当たって、10年、15年実施する上での財源。一般財源を原資とする事業なので、この事業をやる代わりに他の事業を圧縮するなどの財源の見通し等はどう考えているのか。 ◯市長  本市では子どもの育ちや学びを保障するための施策はできる限り一律でやりたいということを考え、今回は所得制限等は考えないという結果となった。  確かに林議員の指摘のとおり、医療費助成というものは、恒常的・恒久的に続いていくものであり、今年度・昨年度の香南市こどもまんなか家計応援給付金とは性質が違うものだと承知している。しかし、日本における少子化・人口減少というものに対する1つの答えとして、香南市はこどもまんなか、そしてまた子育てイコール香南市ということを打ち出す中で、今回高知新聞に取り上げられてから中学生の保護者3件、高校生の保護者2件からよかったという声も直接聞いているし、それ以前に様々な運動や習い事をしている保護者等から、かねてから何とかできないものかという声を日々聞いていた。  一方で、補聴器の問題等に対する補助というのも非常に大切であり、これからの高齢社会に向けて一定検討しなければならず、それらの精査の中で、私としてはトリアージした結果、現在のこどもまんなか、そしてまた次元の異なる子育て支援ということの、国の動きがあまり見えてこない中で、本市としてはまず18歳までの無償かということを1つの市民に対する、これから我々が進むべき道ということで提案した部分と、ニーズというものも一定あると思っている。  財源については、このことによって何かの事業を削るという個別に考えるのではなく、全体を通して、それぞれの課においてこれまでやってきたことをそのまま踏襲するのではなく、その中でまずは何が必要であるのかということを考えて、これからに向かって考える中で、財政再建というものの道のりというのを今後我々はたどっていこうとしている。  このことについて、財源含めて大変不安がある。確かに所得制限等もない、そして林議員の指摘のとおり、18歳までというのが非常に不可解であるというふうに思う人がいることは私も承知をしている。私には子どもばっかりかという声も届いているが、まずは子どもを大切にするという姿勢を私としては出していきたい。18歳というのが成人年齢ということもあり、そして今回香南市こどもまんなか家計応援給付金でも説明をさせてもらった15歳から18歳、非常にお金がかかる。高校に行く。本来なら近くの高校に歩いて、自転車で行くべきなのかもしれないが、それぞれ交通費を払って行き、そしてまた給食がない中でそれぞれのものを食べる。そして部活動においては、様々肉体を使った、そしてまた精神を使った中において、中学生までとは違った状況で様々なことが起こる、そしてまた起こったときに対して医療費であるというものがかかってくる。その不安というものが一定保護者の方々にあるというものを緩和をする。見方によっては病院に行く方が増えるということもあるかもしれないが、私としては、そういうことは原則的にはなく、みんなが安心して暮らしていくため、そしてまた子育てをするために必要であるというふうに考え、18歳までにしている。  議会にも何かとこのことについて理解、協力いただき、どうか納得いただきたいと思っている。 ◯林道夫議員  ちょっと質問の趣旨を勘違いしているようだが、別にこの事業に対して不満があると言うことではなく、前段、全員協議会の場等でも財政課長から今後は厳しい財政状況になっていくので、各課に対しても事業をゼロから精査して財源を捻出していくことが大事だということが言われており、市長も諸般報告や一般質問の答弁の中でも言っていたかと思う。そういう面において、今回の事業に対しても、そういうプロセスを通って提案されてきているのであれば、長期的な財源の確保はどのように考えているのかという意味の質問である。 ◯市長  林議員の意図をやや勘違いしており大変申し訳ない。  1つやめることだけを言っているわけではなく、やめるべきはやめる、そしてまた必要であるものは率先してやっていくということで、そこのスクラップ・アンド・ビルドというものを徹底していきたいと考えている。細かな財源等は財政課長に聞いてもらいたいが。  順番が逆になったという指摘があれば、確かに見方によっては私の言っていることがやや矛盾に感じるところがあるのかもしれない。そういう誤解を招いてでも先取りすべきは先取っていく。しかし、これからの予算編成については、やめるべきものはやめていくということは徹底したいと考えており、その点は林議員にも理解いただきたい。 ◯企画財政課長  実際、市民保険課長から、高校生に対して医療費を拡充するというところで、試算としては1,000万円。ただ、昨今の状況からするともう少し増えるかもしれないという話があったが、従来中学生までについて、ふるさと応援基金からの繰入金を活用している。今のところ予定としては1,000万円強になるか、実際1年間丸々で見ないと分からないが、今のところは、財源手当てとしては基金繰入金を考えている。  先ほど補聴器の件で、かなり理詰めでいろんなことをした上で、事業としては見送った。それに対してこちらは細かい積み上げがあって判断があったのかという話があったが、市の施策においていろんな段階があると思っている。その中で、今回の高校生年代に対する医療費の助成というのは、ある意味市長判断の最も濃い部分で決定されたという側面もあり、また、それは市町村の行政施策として、当然あっても構わないものと考える。  ただしもちろんそこについては財政的な裏づけがなければ、ただ1年、2年やって、やはり財政的に厳しいのでやめるというわけにはいかないので、そちらについては先ほども言った通り、一定財源としては確保しており、また、これから先については、先ほど市長からも話があったとおり、これまでこうだったからこれからもではなくて、これから本当に必要な事業というのは何なのか。それの事務事業の適正化というか、そういったところをしっかりと全ての課でやろうと考えている。  担当であるとか担当課長の意欲とか、そういったものに左右されずに、その中ですぐにできることもあれば、なかなか今までの経緯を捉えて、やりたいし、廃止をしたい、もしくは縮減をしたいけども、実際今までできなかったことについてももう一度それに対して見直して、本当にできないのか、やるべきなのか、できないとしても、すぐできなくてもそれは段階を踏んでいけば何年後にはできるのかとか、そういったことまでを含めてとにかく全体として見直しをかけていく。躊躇する部分があれば、しっかりとそこについては市長が後ろ立てになって責任も取ってやっていくという話もあったので、ここまで予算編成に当たって強いメッセージを出したのは、自分の記憶では初めてであり、それを踏まえて、6年度に向けて予算編成にこれから個々の課に対しての財政査定に取り組んでいく。

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