性的マイノリティーへの配慮と今後の市の取り組み姿勢について #人権啓発

【質疑通告】

性的マイノリティーへの配慮について

(1) 平成30年度に、申請書や証明書等に性別記載欄のある公文書 283件のうち46件の性別記載欄を削除した。その後も定期的な見直しはされているか。

(2) その他、市の広報やホームページ、各種アンケート、案内文書等を作成する上での性的マイノリティーに配慮した表現のガイドラインなどは作成されているか。

(3) 平成29年に厚労省は、被保険者証の氏名表記について、性同一性障害を有する被保険者の通称表記は保険者の判断によって工夫しても差し支えないとしている。当時の課長は質問に対し、「県単位化以降に国保の連絡協議会の研修会等で取り上げていきたい。」と答弁していたが、その後の取り組みはあるか。

(4) 本市において、同性パートナーの方が市営住宅への入居申込みをした場合、入居は可能か。

(5) 同性パートナーの方が災害弔慰金を申請することは可能か。

(6) 同性パートナーと同居する職員が、介護休暇や配偶者同行休業等を申請することは可能か。

(7) 本市でも「LGBTについて知っておいてほしいこと」の職員研修や性的マイノリティーに関する市民講座などにも取り組んでいる。今般、高知市において「にじいろのまち宣言」も公表されたが、同性パートナーシップ制度導入も含め市長の所見は。

(8) 性的マイノリティーについては幼児期や思春期の対応が重要だ。平成27年には「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細やかな対応の実施などについて」という文科省通知も出されているが、学校等における対応は。


【質疑本文】

◯林道夫議員

 おはようございます。1番、林道夫でございます。

 新型コロナの第3波、高知県でもこの1週間で100人を超える感染者が出ているということで、昨日、高知県の対応レベルも特別警戒、レッドゾーンに入ってまいりました。

 マスクや手洗い、3密などがある程度やられている中で、3月、4月を超えるようなペースでの感染者の増加ということで、この対応に対しても、やっぱり緊張感を持って対応することが求められているかと思います。

 特に、重症化のリスクの高い高齢者や基礎疾患のある方々の感染予防というのはもちろんですけども、今年度は年度の始まったときからすぐに休校になったりとか、それで授業が再開されてもいろんな行事等が中止になってしまったという、子どもたちの負担というのが最小限で済むような対応をお願いしたいと思います。

 千葉市の方では、全教室に加湿器の設置というのも行われるようですけども、教室の湿度の管理とかいうことも大事になってくるので、その辺りも徹底をお願いしたいと思います。

 本日、香南市の対策本部でも会議が行われるということですけども、第1波のときに行われてきた対策の教訓というものをしっかりと反映していただき、後手後手に回らないような対策を取っていただきますようにお願いをいたしまして、質問の方に移らせていただきたいと思います。

 本日も通告に従いまして、2項目の質問をさせていただきます。

 1項目めは性的マイノリティーに関する件についてであります。

 まず1点目ですけども、平成29年の3月議会において、公文書における性別記載、また、情報収集については、真に必要なもののみにすべきではないかという提案をさせていただきました。

 その結果、平成30年には、申請書や証明書等、性別記載のある283の公文書のうち46の性別記載欄を削除いただきました。

 283のうち46ということで、まだ240近いものに性別記載欄が残っている状態だと思いますけども、法的に記載が規定されているもの、また、どうしても戸籍上の性別が記載が必要な公文書というもののありますので、ゼロにするということは難しいかと思いますが、やはり定期的に見直しを行い、精査していくことというのも大事ではないかと思います。

 まず1点目として、その後の見直しの状況と現在の公文書における性別記載欄の状況についてお知らせを頂きたいと思います。

◯人権課長

 林議員のご質問にお答えいたします。

 性的マイノリティーの人権配慮と、性的マイノリティーに対する社会の知的理解の向上を図る観点から、平成30年度に、市の窓口業務などで、申請書、証明書などの法律等に様式が定められているもの以外、実質上支障のない公文書について性別記載を削除しています。

 行政文書の性別記載欄の見直しについては、平成30年度に全庁的に実施をしていますが、今後は実態を把握するために、全庁的に点検を行い、その調査結果を基に、第2次香南市人権教育・啓発推進基本計画に沿った、各課が具体的に取り組んでいます実施計画の中で定期的な見直しを進めていきたいと考えています。

 以上です。

◯林道夫議員

 ありがとうございます。ただいまの答弁を聞いてますと、取り組んでいきたいと思いますということは、その後、特に見直し等はされておらず、現状も性別記載欄が残っているものについては237とか、そういう感じという意味でしょうか。

◯人権課長

 質問にお答えいたします。

 定期的に調査する体制とか仕組みができていなかったために、先ほども申しましたように、第2次人権教育啓発推進基本計画、各担当課が実施しております実施計画で見直しも進めていきたいと思ってます。現状はそのままということになります。

 以上です。

◯林道夫議員

 過去の議事録等を見てみますと、見直しを行って、人権計画の実施計画にもその数を記載していくというような答弁をされているものもあったかと思いますので、やはりそういう答弁した以上は、今後はきっちりと実行していただけるようによろしくお願いします。

 それでは、2点目の質問に移らせていただきます。

 そのほかにも、市役所からは広報であったりホームページ、各種の案内文書やアンケート等が発出をされております。それらについても必要以上に性別の情報を収集しないことであったり、性的マイノリティーに配慮した表現等を行っていく必要があろうかと思います。

 現在、職員の方々がこれらの文書を作成するに当たって、参照するような性的マイノリティーのガイドラインというようなものが策定されているのかどうか、お教え願いたいと思います。

◯人権課長

 林議員のご質問にお答えをいたします。

 市独自のガイドラインは作成していませんが、高知県が作成した男女共同参画の視点に立った広報作成の手引を参考にし、市の広報やホームページ、各種アンケート、案内文書等を作成する際には、男女共同参画の視点に立った表現にするよう取組を進めているところです。

 高知県が作成した男女共同参画の視点に立った広報作成の手引、「考えてみようその表現」を庁内パソコンの掲示板に掲載し、性別を固定化する表現を避けるように啓発も行っています。

 今後もこの手引を参考にするなどして、市が文書等を発行する際には、性別を固定することがないよう、性的マイノリティーにも配慮した表現を職員一人一人が日々意識できるよう職員研修、啓発を引き続き行い取組を進めていきたいと考えています。

 以上です。

◯林道夫議員

 ありがとうございます。県の作成するガイドライン等を参照するということで、ちょっとお伺いしたいんですけども、それぞれ公文書を、広報やアンケート等を作成する際に、職員の方がそのようなものを参照して作成するということなんですけども、そのほかにもいろんな男女共同参画とか、いろんなガイドラインを参照しなくちゃいけないみたいなところもあるんですけども、そこら辺というのは、職員個人任せなのか、もうつくった後に、もう一度実際に発出する前にチェックというのはなされているのか、ちょっとお願いいたします。

◯人権課長

 質問にお答えをいたします。

 課内での文書の回覧というのをして、書類のチェックというのはしていると思います。

 人権課に対して、これをチェックしてくださいとか、そういう要請がありましたら、人権課の方でもチェックをするように努めています。

 以上です。

◯林道夫議員

 ありがとうございます。取りあえず、課内等で二重のチェックはされているというような理解をいたしました。

 続いて、3点目の質問に移らせていただきます。

 これも、平成29年の3月議会で質問をさせていただいた件ですけども、厚生労働省は、平成29年に、被保険者証の氏名表記について、「性同一性障害などを有する被保険者の通称表記については、保険者の判断で工夫して差し支えない」というような通達を出しております。

 それに基づいて、本市でも検討してはどうかという質問をさせていただきました。

 当時の課長は、平成30年度に国保の県単位化を控えていたということもあり、県単位化後に国保の連絡協議会等の研修会で提案していきたいというような答弁を頂いております。

 その後、国保の県単位化以降2年が経過しておりますけども、そのことについて何らかの研修会、また動き等があるようでしたらお知らせいただきたいと思います。

◯市民保険課長

 林議員のご質問にお答えいたします。

 性同一性障害の悩みを持つ方は、体の性と心の性が異なることで生じる様々な制度上の障壁による困難を抱えており、また、日常生活においても多くの問題を抱えていることと思います。

 日々の生活の中では通称名を使っている方が、医療機関を受診する際に戸籍上の氏名を呼ばれることへの違和感からトラブルになり、受診を控えたりするなどの状況もあるようです。

 その精神的な負担を少しでも軽減するため、平成29年度、厚生労働省から被保険者証の通称表記の取扱いについて、各保険者の判断によることとの通知がなされました。

 先ほど議員のご質問にもありましたように、香南市におきましては、性別記載欄の削除に向けた取組を行い、市民保険課におきましても、印鑑登録証明書をはじめ、各種届出や申請書から可能な限り性別欄の削除を行ったところです。

 被保険者証につきましては、医療機関を受診する際に必要な事項を記載しているものであり、特に性別につきましては、性別に由来する特有の疾患や診療行為があることから、性別記載は必要なものとの判断から、削除しないこととしておりました。

 しかしながら、今回、近隣市にも問合せしたところ、厚労省通知を受け、市民から相談があれば対応している市が複数あり、また、国保だけでなく、健康保険にも適用されることから、取り組んでいる自治体や保険者が全国的にも増えている状況であります。

 被保険者証発行は、住民基本台帳システムと連動しているため、システム上での発行は難しいところですが、当事者の申し出た通称名を手書き、またはシール等で対応できること、性別欄につきましては、システム上で表面から削除することができることを確認いたしました。

 ただし、被保険者証は本人確認書類としても利用されていることや、診療を受ける上で必要な情報であるため、戸籍上の氏名と性別は裏面に手書き等で記載をさせていただくことになります。

 当事者の申出により、通称名の表記や性別の削除は可能となりますが、申出書の様式や保険者がやむを得ないと判断できる添付書類の確認、被保険者証の加工の仕方などを近隣市や先進自治体の事例を参考に検討し、できるだけ早く対応できるように進めてまいりたいと考えています。

 以上です。

◯林道夫議員

 ありがとうございます。前向きな検討をしてくださるということで、多分、当事者の方も、先ほど課長のお話の中にもありましたけども、やっぱりそのことで受診を控えるというような、悲観的にならないような、また、先進地の事例等も参考にしながら、前向きに進めていただきたいと思います。ありがとうございます。

 続きまして、4項目めの方に移りたいと思います。

 この11月24日に、高知市の方で、にじいろのまち宣言というものが宣言されまして、今後、高知市では、SOGIに関する職員ガイドラインの作成や研修、また、パートナーシップ制度の導入等が行われるということです。

 高知県内で今のところ、正式にパートナーシップの導入について表明をされているのは、高知市だけというところになりますけども、やはり住んでいるところにかかわらず、どこに住んでいても誰もがその人らしく、不利益を受けることなく、人権が尊重される世の中というのが望ましいかと思います。

 その意味で言うと、本来は国がこの同性婚というのを認めることが大事ではないかと思うんですが、どうしても、それまでには時間がかかってしまうというところがあります。

 本市の当事者の方々に、それまで我慢して待ってくださいというのは、実に忍びないことであります。やはり、身近な自治体である香南市としては、できることを1つでも、少しでも積み上げていくという姿勢が大事ではないかと思います。

 そこで、まず、同性パートナー、LGBTSの方々にどのような不利益があるのかというのを考える、認識することが大事かと思い、この例規集を見てみました。

 先ほど来質問をさせていただいています、公文書等の性別表記、性別情報の収集のこと、また、いろんな文書の表現、そして、保険証を出す際の心痛というものも当然あるわけですけども、次の場合に、このLGBTカップル、同性カップルの方々は申請や受給が可能なのかということを、説明を頂きたいと思います。

 同性カップルの方が市営住宅の入居申込みをした場合、これは現在香南市において入居が認められる、申請が受理されるのかどうかということがまず1点目です。

 もう1個、同性パートナーの方が災害等で被災した場合に、災害弔慰金の受給、これができるのか。

 また、職員の方、同性パートナーとの同居されている職員の方が、介護休暇であったり、配偶者同行休業、そのような申請ができるのかどうか、この3点について、それぞれご説明をお願いいたします。

◯住宅管財課長

 林議員の質問にお答えします。

 同性パートナーの入居の申込みですが、現在まで、市営住宅への入居を希望された例はございません。

 同性間については、住民票等での確認ができず、事実上婚姻関係と同様の事情であるものとして認定が困難となります。

 このことから、同性パートナーの方が市営住宅への入居申込みをされても、入居は不可能だと考えております。

 以上でございます。

◯福祉事務所長

 林議員のご質問にお答えいたします。

 香南市災害弔慰金の支給等に関する条例では、災害弔慰金の支給等に関する法律に準じて、支給する遺族の範囲は、配偶者、子、父母、孫、祖父母、それと同居し生計を同じくする兄弟姉妹と定めておりますので、同性パートナーの方は支給の対象とはなっておりません。

 以上です。

◯総務課長

 林議員のご質問にお答えいたします。

 同性パートナーと同居する職員が介護休暇や配偶者同行休業等を申請することは可能かについてですが、介護休暇制度における要介護者となる事実婚を含む配偶者の取扱いや、配偶者同行休業制度における配偶者の取扱い、そのほか同様に特別休暇のうち、結婚休暇や慶弔休暇などにおける配偶者の取扱い等につきましては、地方公務員制度、地方公務員法の取扱いになりますので、県を通じて国へ確認をお願いしたところ、介護休暇制度、配偶者同行休業制度における事実婚を含む配偶者について、国は同性パートナーを認めていないという回答でございました。本市におきましても、申請はできないと考えます。

 以上です。

◯林道夫議員

 ありがとうございます。これは本当に特別のことではなくて、もう普通のこと、SOGIについては、そういう部分もありますので、だけども、このように現状では認められないものというのがかなりあるわけであります。

 ちょっと通告してないので、ひょっと分かる範囲で構わないんですけども、例えば公営住宅法なんかについては、親族の同居要件というのが廃止されていて、公正証書ですか、等により、任意後見契約とかいう形で、同性パートナーの方がそういうご契約関係にある場合でも、やはりこういう、それぞれ、入居であったりとか、弔慰金とか、介護休暇とか、そういうものの申請が可能なのか。もし、分かるやったらお願い、現時点で不明であれば、そういう答弁で構いませんので、お願いします。

◯住宅管財課長

 ご質問にお答えします。

 公証役場での公正証書とかで、パートナーシップ、婚姻に伴う合意誓約書とかいうことで申し出た場合でございますが、今のところ、うちとしては、それを認めてはございません。

 以上でございます。

◯林道夫議員

 ありがとうございます。今回、自分は例規集を端から端まで全部見たわけではないので、ぱあっと見て、3つ4つがいかがかなと、該当するのかなというところで今回ちょっと取り上げて質問をさせていただきました。

 この性的マイノリティーの方というのは、13人に1人とか、11人に1人とかいうような数でいるというふうに言われております。そう考えると、絶対、職員の方の中にもいるわけでありまして、それをやはり特別のことではなくて、普通のこと、身近なこととして、例えば職員の方々がそれぞれの受持ちの業務について、これが性的マイノリティーの方、同性カップルの方はどうなんだろうかというような視点で、いろんな業務を見直していくような姿勢というのが大事ではないかと思います。

 次の質問に移らせていただきますけども、本市においていろいろ職員の研修等も行われていますし、市民の講座等も行われています。今般、高知市の方では、「にじいろのまち宣言」というようなものも公表されたわけですけども、同性パートナーシップの導入も含めまして、市長としての見解等を、ありましたらお聞かせいただきたいと思います。

◯市長

 議員おっしゃるように、高知市は先月24日、多様な性の在り方を尊重する自治体であることを対外的に示します、「にじいろのまち宣言」を行いました。

 パートナーシップ制度では、婚姻と同等の法律上の効果があることを証明するものではありませんが、当事者の方が互いに人生のパートナーとして日常生活において相互に協力し合い、社会において生き生きと輝き活躍されることを期待して、パートナー関係であることを宣誓されたことを公に証明する制度ということでございます。

 本市におきましても、人権課題に性的指向、性自認を掲げており、性的少数者については、まだまだ社会の理解が十分でなく、自分で選ぶことのできない性的指向や性自認のために、社会生活において様々な困難に直面していることなど、多くの課題が残されていると考えています。

 10月に四国で初のパートナーシップ宣誓制度を導入した香川県の三豊市の田中昭全さん、川田有希さんを講師にお招きをし、「LGBTについて知っておいてほしいこと」について職員研修を行い、多くの職員の参加もございましたし、私も話をお聞きをいたしました。

 香南市としても、差別や偏見をなくし、一人一人の意思で多様な生き方を選択できる社会の構築ができるように、今後も取組を進めていきたいと考えています。

 林議員、質問の中でおっしゃいましたように、子育てなんかも、私は国が…というのが持論でございます。これも最終的には市町村というよりも、県・国の方でいうふうな形が必要ではないかというふうにも思ってございます。

 そういったことの先制事例をつくっていくというのも、これはこれで大きな意味があるのではないかというふうに考えておるところでございます。

 パートナーシップ制度の導入につきましては、様々な影響等もございます。また、施策も、先ほど質問の中でもございましたし、多くの課にまたがるという状況でございます。それを十二分に精査した後、前向きに検討していきたいというふうに思っているところでございます。

 以上でございます。

◯林道夫議員

 ありがとうございます。本当に、パートナーシップ制度というのは、どうしても着目されるところですけども、やはり、各課でできることというのも当然ある、現時点でできることとかもあると思いますし、そういう部分をやっぱりしっかりと精査して、やっぱり情報についてもアウティングとか、そういうような部分でということも、当然職員の方々には守秘義務というのがありますけども、それ以上にアウティングとか、そういうような意識というのは持った上で導入しないと、導入したのに…ということにもなりかねませんので、そういう部分でしっかりと今後も、人権計画等の指針に基づいて、研修をしていただきたいと思います。

 それで、この項目最後の質問であります。

 この性的マイノリティーのことについては、やはり幼児期、学童期、思春期の対応が非常に重要だと言われています。

 先生の何げない一言とか、友達とか家族の対応に傷ついて苦しんで、そして不登校になってしまう。

 岡山大学のジェンダークリニックのアンケート調査によると、約6割近い方が、性的マイノリティーの方は自殺を考えたことがあるというような結果も出ております。

 文部科学省が、平成27年に「性同一性障害に係る児童・生徒に対するきめ細やかな対応の実施等についての指針」というのを出しております。それ以外にも幾つも指針を出しているわけですけども、本市の小中学校、学校教育において、この性的マイノリティーの生徒等への対応、取扱いというのはどのようになっているのか、取組をお教えいただきたいと思います。

◯学校教育課長

 林議員の質問にお答えします。

 文部科学省が示す性同一性障害に係る児童・生徒とは、心の性と体の性が一致していない場合を指しており、きめ細かな対応の事例には、自認する性別、心の性別の方ですね、の制服、衣服や体操着の着用を認める、更衣室、トイレの使用についての配慮、運動部の活動では、自認する性別に係る活動への参加を認めるなどが例として挙げられております。実際に、相談があった場合には、これらを参考に対応を考えていきます。

 性的マイノリティーとは、一般的に性的少数者と表現されていますが、実態としては、性同一性障害だけでなく、同性愛であったり、恋愛対象に男性、女性の区別がなかったり、自身の性に対して男性か女性か区別する感覚がない場合であったり、個々個別に複雑な事情や悩みを抱えている方が少なくありません。

 したがって、求められる対応は個々に応じて変わり、また、発達に応じても変化する場合があると言われております。

 文部科学省も、当事者や保護者の意向も踏まえ、個別の事情に応じて進める必要があるとしております。個人の困り事に学校として真摯に向き合う姿勢が必要だと考えております。

 また、性的マイノリティーであると自覚をされている方へのアンケート調査で、自分の性に対する違和感を自覚し始めたのは、小学校入学前で5割を超え、中学校入学前を合わせると、7割を超えるという報告があります。

 自分で自分が理解できないような状態に苦しみ、家族にも相談できず、一人抱え込んでいる児童・生徒も少なくないと思われます。

 そのため、学校としては、常に対象となる児童・生徒が教室にいるということを想定した言動が求められます。また、授業において、性的マイノリティーについて学習できるものもありますが、教材としての歴史は非常に浅く、充実しているとは言えません。

 したがって、教職員一人一人の知識・理解と意識の向上が重要になってまいりますので、研修や啓発に努めてまいります。

 以上です。

◯林道夫議員

 ありがとうございます。先ほど課長の方からもありましたけども、この通知のタイトルは、性同一性障害というふうになっていますけども、内容的には性的マイノリティー全てを対象とした取組が、いろんな事例も出されて、その後に、通知で教職員向けの通知というのも、QアンドAとか対応の具体的な事例とか、そんなものの通知も文部科学省から出されています。

 今、お話しいただいたのは、こういうふうに取り組んでいきたいというようなお話のように聞こえましたけども、実際に具体的に本市において、教職員の方の当然、やっぱりスキルアップの研修であったり、相談体制、サポート体制、また、制服のことであったりとか、トイレの使用、実際の授業、特に水泳の授業とか、そんなような配慮というのが、現段階で、複数、そういう相談を受けた事例というのがあるのかないのか、お聞かせいただきたいと思います。

◯学校教育課長

 林議員の質問にお答えします。

 先ほど質問の中で、本市でということを、ありましたけども、今ちゃんと報告の数字というものではないですが、高等学校において制服での配慮というものでは、高知県内でも複数対応があっております。

 小中学生の段階ということになると、なかなか本人自身が自分の状態を知識的にうまく理解ができていなかったり、あるいはそのことを要望するということ自体が外にオープンにすることになりますので、なかなかそこを子どもの方から全体に、自分はこうなんだからこういうふうに対応してほしいというふうな訴えというもの自体が、ほとんどなされていないというのが実態です。

 ただ、例えば、学校現場の中で、男の子の体なのに、女の子っぽい動き方をするとか、そういうふうなことがからかいの対象になったり、そういうふうなことが見とられているような学校で、これに関わっての研修をというふうなことで、教員研修、また性的マイノリティーについての子どもたちへの特別授業とか、そういった対応は高等学校より下の年齢でも実態としてはあります。

 香南市の実態としても、先ほど言いましたように、なかなか本人の問題が表に出てくるということが非常に難しい問題ですので、ただ、個人として、個人の教諭への相談等はあっていると思われます。

 でも、相談がありましても、これを学校として対応していくためには、学校のほかの教員にもオープンにすることを本人の了解をとらなくてはいけませんので、先ほどアウティングということも議員がおっしゃっておりましたけども、本人の了解をとらずにアウティングで学校全体の取組に出しているということもできない問題ということになりますので、実態として要望が子どもから上がって、それに対して対応がされるといったことの小中学校での事例としてはほとんど報告を聞いてはおりませんが、教員に対する、個別の教員に対して悩みというか、相談をして声が上がっているということは聞いたことはありますけども、繰り返しになりますが、全体の対応として皆に確認できるようにそこまでオープンにした対応としては、現状では報告を聞いたことはございません。

 以上です。

◯林道夫議員

 ありがとうございます。本当に、なかなかデリケートな問題でもありますし、やはり当事者、また、家族の方も相談しにくいというようなところもあったりするので、やはり、教職員の中のスキル、察知するというか、その辺を研修というのがやっぱりしっかり充実していただきたいということと、現在、教育委員会の方でも把握をしていないということですけど、個別の内容までは把握できないにしろ、例えばそういうジャンルの相談等があったという件数だけでも、今後のためにも数値を積み重ねて集計するような形をとっていただけたらと思います。

 それで、この項目の質問は終わらしていただきますけども、ちょうど12月の4日から本日10日までが、人権週間というふうになっています。本当、様々な人権というのはありますけども、やっぱり誰でも、その人らしく生きていけるような香南市になっていただきたいと思いますので、職員の方々もいろんな業務があるかと思いますけども、これは健康な人ばかり、マジョリティーの人たちばかりが使う制度ではないんだという意識を持って、各業務を再度、見直していただけるような意識を持っていただけたらと思います。

 

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