本市の乳幼児・児童医療費助成制度の医療費への影響は? #国民健康保険

【質疑通告】

本市の乳幼児・児童医療費助成制度の影響について

(1) 乳幼児・児童医療費助成事業の段階的な拡大と15歳未満医療費動向の関係はどうなっているか。また、医療費助成による影響をどのように分析しているか。

(2) 子ども医療費助成による国庫負担減額調整の考え方と国の減額巾はどうなっているか。

(3) 国庫負担減額に対する国への要望等は行っているのか。

(4) 児童・生徒及び保護者に対する医療保険制度や適正受診への理解促進の取り組みはあるか。


【質疑本文】

◯林道夫議員

 3項目めの乳幼児・児童の医療費助成についてでありますけども、本事業については、香南市の場合、それまで未就学児を対象としていたものを、平成22年から小学校卒業まで、そして、平成27年度から中学校卒業までに医療費の助成範囲、対象を拡大しております。

 この事業の目的というのは、条例等によりますと、医療費の一部を助成することによって対象の子どもたちの保健福祉の向上を図るというようなことが書かれているわけですけども、一般的には、子育て世代の経済的な負担軽減、また、満足度の向上のために導入されているというふうに言われております。

 一方では、国の方は、このような医療費の助成をする保険者に対して国庫負担の減額調整というペナルティーを科してきているわけですけども、その意味でも、助成事業と医療費の関係というのを、一定、やっぱり市としても把握しておく必要があるのではないかと思います。

 厚労省の統計データというのを見ますと、2000年から2016年までの1人当たりの医療費の動向というのを見ると、65歳以上の方の医療費というのが10%の伸び率なのに対して、15歳未満の方の医療費の伸び率が40%近いというようなことになっていまして、その主な要因として、地方自治体がこのような医療費の助成制度を行っているからだというような書かれ方をしています。

 国のデータにどうこう言うあれはないですけども、こういう数字というのは分子であったり分母であったり、持ってくる係数によってちょっと変わってきたりするので一概に何とも言えませんけども、実際、香南市において段階的に、先ほど言いましたけれども、助成範囲、助成対象というのを広げて、それによって15歳未満の方の医療費はどのように変化をしているのか、また、医療費の助成に対する医療費の変化を保険者としてどのように分析されているのか、聞かせいただきたいと思います。

◯市民保険課長

 ご質問にお答えいたします。

 乳幼児・児童医療制度は、子どもの健やかな成長と子育て世帯の負担軽減を図るため、医療機関等の保険診療に係る一部負担金を助成する制度です。

 香南市の乳幼児・児童医療につきましては、合併当初は県事業である未就学児までの医療費助成を行っておりましたが、平成22年1月1日から小学校6年生まで、17年4月1日からは中学校3年生までに、市単独事業で拡充しております。

 対象者としましては、他法優先となっておりますので、国や県などの医療費助成対象者は対象外となります。対象者のみの申請をいただいておりますので、申請者と利用数は同じ数ということになります。

 影響額を分析するのに当たりまして、平成20年度から3年ごとの対象者と決算額、それから伸び率につきまして、ご報告いたします。伸び率につきましては、報告年度との比較で申し上げます。

 平成20年度、対象者1,832人、決算額6,181万830円。平成23年度、3,570人、1億526万3,495円、伸び率70.3%、平成26年度、3,476人、9,985万7,918円、伸び率マイナス5.1%。平成29年度、4,161人、1億1,916万7,018円、伸び率19.3%となっております。平成23年度は、対象者拡大により、決算額も2倍以上に増額をいたしましたが、平成29年度には、対象者は拡大したものの、決算額に大きな伸びはないようです。

 1人当たり助成額は、平成20年度、3万3,740円、平成23年度、2万9,486円、平成26年度、2万8,727円、平成29年度、2万8,639円となっております。平成20年度の1人当たり助成額が大きいのは、未就学児は医療機関にかかる機会も多いことが影響していると考えられ、その後は、対象年齢が拡大したことによることで1人当たり助成額は少なくなっていると考えます。

 診療情報の少ない中、助成額から医療費の動向分析等は難しいものがありますので、現在のところはこれ以上の分析はできておりません。

 以上です。

◯林道夫議員

 ありがとうございます。今説明いただいたとおり、対象者がふえても、主にやっぱり乳幼児の方が使用頻度が高いということで、細かい分析というのは難しいところがあろうかと思うんですけども、実際、助成を行うことによって、国が言うように、15歳未満の医療費というのがそれほど伸びているという実感というのは、正確な数字じゃなくてもいいんですけども、実感としてそういう感覚というのは保険者としてはあるんでしょうか。

◯市民保険課長

 質問にお答えいたします。

 この質問を受けまして、毎年の一部負担金の助成額というものを出したんですが、平成27年度以降、対象者が15歳までに拡大されてからを見ましても、医療費というのは上がったり下がったりというところがあって、大きく毎年増減しているというところがありませんので、おっしゃるように、そういうところの影響はないものと思っております。

 以上です。

◯林道夫議員

 ありがとうございます。自分も実際、医療費自体の伸び率とかと比較しても、そんなに、先ほど自分が言いましたけど、国の統計では4割ほど伸びているという、それほどの実感というか肌感覚はないかなという感じなんです。

 最初にも言いましたけども、国の方は子どもの医療費助成あるいは障害者の医療費助成等を行っている保険者に対して、不用意な医療費の増大を招くということから国庫負担の減額調整ということを行っているわけですけども、国の減額の考え方、減額調整の考え方と、実際にどれぐらいの金額が減額されているのかということをお教え願えますでしょうか。

◯市民保険課長

 ご質問にお答えいたします。

 乳幼児・児童医療費やひとり親家庭医療費、障害者医療費の自己負担額助成制度は、県や市町村が地方単独事業により実施しているものです。この措置により生じる医療費の波及増分につきましては、現在、国による国庫負担金を減額する措置が講じられております。

 これは、一部負担金の減免措置が県や市町村の判断のもと独自に行われているため、限られた公費を公平に配分するという観点から、実施している県や市町村が負担すべきものという考え方に基づいております。

 国保会計の財政調整交付金と療養給付費等負担金から、この波及増分が減額されてきます。平成30年度からは県の国保特別会計において国庫負担金が減額されますが、その減額分は事業費納付金の算定に含まれてきます。

 国保会計の財源が減額されるということは国保税に影響してきますので、一般会計などからの予算措置を講ずることという国の通知を受け、平成22年度より、本市でも一般会計から減額相当分を基準外繰り入れとして繰り入れており、国保税に影響が出ないように配慮しております。

 このうち、子どもの医療制度のあり方に関する検討会におきまして、一億総活躍社会に向けて政府全体として少子化対策を推進する中で、地方自治体の取り組みを支援する観点から早急に見直すべきだとの意見のもと、関係省令が改正されました。この改正により、平成30年4月1日からは未就学児までの医療費助成に対する国庫負担金の減額措置を行わないことになりました。

 国庫負担金の減額幅につきましては、平成20年度は資料がありませんでしたので、平成30年度以降の数値でお答えさせていただきます。ただし、平成23年度分につきましては、子どもの医療費に係る内訳がないため、総額となります。平成23年度、総額2,249万1,483円、平成26年度、総額2,284万7,601円、うち子ども医療費分348万2,287円、平成29年度、総額2,218万8,677円、うち子ども医療費分292万4,538円となっており、減額される国庫負担金総額に占める子ども医療費の割合は約15%前後となっております。

 以上です。

◯林道夫議員

 ありがとうございます。確認ですけど、数字がなかったら構いませんけど、先ほど、減額調整の中で子どもの分が最後に15%というようなことなんですけど、そのほかのひとり親であったり障害者医療費のあたりですか、その人数の比率というのは、全体の対象人数に対して子どもの数というか、は大体15%ぐらいのものなんですか。金額的なものというより対象人数というか。

◯市民保険課長

 ご質問にお答えいたします。

 この金額の中には乳幼児・児童医療の分とひとり親家庭医療と、あと障害者医療とあるのですが、人数まではそれぞれ把握していなくて、申しわけありません、お答えできません。

◯林道夫議員

 ありがとうございます。30年度から乳幼児の部分というのが減額から除外されたということなんですけども、先ほど来聞いていますと、本当に国は15歳未満の医療費が40%ぐらいふえているというようなことで言ってきているんですけれども、実際、香南市ではそれほどの変化はないのかなというような気がしています。

 当然、市長会であったり県の担当者会議等でも、県に対して減額調整の話であったり国庫負担の増額であったり、医療制度自体の抜本的な、国保制度自体の抜本的な改革であったりとか、そのような要望もしていくかと思うんですけど、そのときに、やはり、香南市ではこういう現状だということを含めながら要望していくことも大事だと思いますけど、現在、市長会ないし担当者レベルで国等への要望というのはどのような状況で行われているのか、また、それに対する国の動向というのがわかりましたら、教えていただけますでしょうか。

◯市民保険課長

 ご質問にお答えいたします。

 地方単独実施事業に係る国庫負担金減額措置に対する国への要望につきましては、未就学児分に対する減額措置が廃止された平成30年4月以降も、全国知事会や市長会等を通じて毎年行っております。

 本年度につきましても、11月28日に開催されました国保制度改善強化全国大会で、子どもの医療費助成に対する国保の国庫負担金減額措置は、子どもの対象年齢にかかわらず直ちに廃止すべきであるとした内容で宣言がなされるなど、さまざまな機会を通して国に対する要望が全国から上げられています。

 減額措置が廃止されることにより、さらなる子育て支援策を充実させ、子どもを安心して健やかに育てる環境を整えることができることを強く願い、今後も引き続き強く要望してまいりたいと考えております。

 現在の国の動向につきましては把握しておりませんが、先ほど申し上げましたように、平成30年からは未就学児分については減額措置を行わないということになっております。

 以上です。

◯林道夫議員

 ありがとうございます。

 国の方に要望しても、なかなかすぐに対応してくれるということは少ないので、その間にも保険者としてできることに取り組むということがやっぱり必要になってくると思うんですけど、かつて老人保健制度のときに高齢者の医療費の無料化ということで、そこで19条受診ですか、とかいうような感じで医療費がはね上がったというようなことがあります。

 当然、子どもの医療費については、子どもは学校も行っていますし、保護者の方も仕事もしていますので、そんな頻回受診というようなことにはならないと思うんですけども、無償化ということで、医療保険制度ですか、ということに対する関心というか、そういうようなものが薄らいできてしまうとか、税金で運営されている制度なんだというコスト意識とかというのが、やっぱり醸成されにくいという環境はあるのではないかと思います。

 他の自治体などでは、保護者向けのジェネリックの促進用のパンフレット等を配ってジェネリックを推進したりとか、子どもの病気ワンポイントアドバイスというような動画をつくって、ビデオを配布したりとか動画サイト等で閲覧できるようにしたりとか、あと、子ども救急電話窓口とかそういうものの普及、病院にかかる前にこの病気は本当に病院にかかる必要があるのかどうかとか、そういう部分で受診の適正化を図るというような目的だと思うんですけど、自治体によっては、それまで窓口無償化にしていたものを400円までの自己負担を求めるようにした自治体等もあるようです。

 やはりこういう、保護者あるいは子どもたちに対しても、医療保険制度というのはこういうものだとかという、ある程度、意識というのを醸成するような取り組みというのも必要かと思うんですけど。そういう保護者や子どもたちに対する取り組みというのがもしあるようでしたら、お聞かせをお願いします。

◯市民保険課長

 ご質問にお答えいたします。

 先ほど申し上げました子どもの医療制度のあり方等に関する検討会の議論の中で、減額調整を見直すに当たりまして、小児科のかかりつけ医の普及や保護者等への啓発普及等の観点を踏まえつつの検討が必要であるとあります。

 保護者の皆様には、お子様の医療機関受診に際し、適正に受診をしていただいていることと思っております。また、制度の周知や適正受診につきましては、各加入医療保険者にも取り組んでいただいているところです。

 国保被保険者の方につきましては、被保険者証送付時等に、国保のしおりやジェネリック医薬品の使用促進のお知らせで啓発を行っております。

 自己負担額の適正助成に関しましては、医療受給者証送付時には、幼稚園・保育所を含む学校管理下でけがや病気をして医療機関等を受診する場合はスポーツ振興センター災害共済保険の適用となるため、医療受給者証を使用しない旨のチラシを同封しております。

 また、高額医療費に係る部分は、各保険者に払い戻しの請求をいたしております。

 社会保険に加入の方で高額医療費に該当する場合は、市が代理で受領するため、保護者の方に委任状または同意書をいただき、申請書の提出をお願いするなど、医療費助成の適正化に努めております。

 以上です。

◯入野博教育長

 林議員のご質問に対して、学校関係の方でお答えをさせていただきます。

 児童生徒及び保護者に対するということですが、適正受診に関しましては、低学年のころから保健体育等の授業の中で健康維持に対する関心・意識を高めまして、早期にやはり、そうした自分の体の異常であるとか、あるいは受診に対する、そういうところの取り組みができるような形の取り組みは適宜進めているところです。

 また、医療保険制度につきましては、具体的には中学校3年生の社会科の教科の中で社会保障制度を扱う単元がございますが、この中の授業の中で具体的に扱う項目がございます。

 それまでの学年につきましては、医療保険制度を具体に扱うという単元はなかなかないところでございますが、その後、高等学校へ進んでいくに当たって、そうしたところをしっかり学べるようにというようなことで、学習の流れはそういうふうになっております。

 保護者に対しましては、学校から直接こういう制度については働きかけとかいうようなところは、なかなか今のところではない状況でございます。

 以上です。

◯林道夫議員

 時間がないので、最後、市長にお願いしたいんですけども、今回、子どもに対する医療費助成ということで、このタイプの助成事業というのは一般的に、一度出したら後退ができないような部類の助成事業というふうに言われています。

 本来、条例に書かれている目的として、保健福祉の向上であったり、それ以外にやっぱり、この助成事業というのを続けていく上で、やっぱりそういう、保健福祉の向上であったり医療費の適正化であったり、適正な意識改革ですか、そういう部分の付加価値というか、そういう取り組みというのも必要かと思いますけども、それに対して、初日、市長の方も、人生支援計画の中の成果として中学校までの医療費無償化というようなことも言われていましたので、それに付随して思い等があれば、最後にお願いいたします。

◯市長

 林議員のご質問にお答えいたします。

 思うところがあればということでございましたので、医療費の適正化については、地方自治体としてはその適正化に向けて、適切、適正にいろんなお話をしていきたいというか、どういいますか、いろんな支援もこれも大切です。健康増進も大切です。ただ、医療費の抑制というのも、これも自治体の財源に直結することでございますので、いろんなところをバランスよく行っていくということをしなくてはいけないのではないかというふうに思います。

 市長会云々のお話もございましたので、昨日から医療保険に関しての質問もございますが、市長会というのが日本一の政策提言集団であるというふうに、私、市長会としては思っているんですが、そんな中で子育て支援に関して、どうも今の国の方で積極的なというか実情に合ったようなところの支援というのが、ちょっといま一歩ではないかというふうなのが市町村長としての共通な認識でございますが、そんな中で、例えば医療保険制度の一元化とか、先ほど林議員がお話しされました子育ての医療費の減額措置等の、こういったことの修正というのは、これはもう毎年といいますか、毎回毎回、市長会でも、国保の全国大会でも、これは市長会というか、市長会も含めた全国大会の中で、毎年、声を大にして言っていることでございますが、こういったことの積み重ねも必要ではないかというふうに思っておるところでございます。

 以上でございます。

 

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