避難行動を誘発するためにマイ・タイムライン(個別事前防災行動計画)の作成を推進しては!? #防災対策

【質疑通告】

マイ・タイムライン(個別事前防災行動計画)の作成推進について

 今夏の豪雨災害において、避難情報の発令が市民の避難行動に結びつかないという課題が明らかになった。行政側も情報発信の在り方や日頃の啓発を見直す必要があるが、市民や地域の意識改革も重要と想われる。

(1) リスクや避難のタイミングを再任し、自助の意識を醸成するためにもマイ・タイムライン作成への取り組みは有効と想うが、見解は。

(2) 地域(自主防災組織等)として住民のマイ・タイムライン作成に取り組むことで、地域の防災意識の向上も期待できると想うが、勉強会のメニューとして「逃げキット」などを活用したマイ・タイムライン作成方法についても盛り込めないか。

 また、作成したマイ・タイムラインを実際の避難行動に結びつけるための避難訓練等の実施も有効と想うが。

(3) マイ・タイムラインは台風等の進行型災害を対象としたものだが、個別避難支援計画を策定する上でも、セルフプランとして参考になると想う。特に災害時要支援者へのマイ・タイムライン作成に取り組む考えはないか。


【質疑本文】

◯林道夫議員

 最後の質問に移らせていただきます。

 マイ・タイムラインの質問ですけども、現在、各地域で活動をしている自主防災組織というのは、主に南海トラフの巨大地震等を想定して、避難訓練や勉強会等をやっているかと思います。しかしながら、この南海トラフの災害というのは150年から100年の周期というふうに言われています。一方では、台風や集中豪雨等による水害、また、土砂災害については、数年に1回、また、昨今の異常気象の中ではもう年に数回というような頻度で起こり得る災害となっています。そして、このような進行性の災害というのは、事前防災の対応によってその被害の抑制というのが図り得る災害というふうになっています。その意味でも、地域においてこのマイ・タイムラインの作成ということに取り組むことで、住民の自助意識、また、地域の共助意識というものの醸成に寄与できるのではないかと思うわけであります。

 やはり、各個人に勝手につくってくださいということではなくて、自主防災組織の勉強会等の中でワークショップ等を開催して、例えば、茨城の方の水害時に作成された逃げキッドというようなツールなんかを活用してマイ・タイムラインを作成するようなことを紹介するとかいうことも有効ではないかと思います。

 また、このマイ・タイムラインで作成した計画に基づいて避難訓練等をすることで、避難行動への意識づけというものが図れるのではないかと思いますし、実際に避難をすることで、みずからがつくったマイ・タイムラインを見直すということで、そのバージョンアップということで、そういうことも図れるのではないかと思いますが、この点についてご答弁をお願いいたします。


◯防災対策課長

 林議員のご質問にお答えいたします。

 まず、マイ・タイムラインは、住民一人一人が自分自身に合った避難に必要な情報、判断、行動を把握し、自分の逃げ方を考え、手に入れることを目的としていることから、自助の意識を醸成するためのツールの1つとして有効な取り組みであると考えております。

 ご質問の逃げキッドの活用につきましては、このマイ・タイムラインの作成を検討するために作成されたツールです。このツールを活用することで、地域の特徴や過去の洪水といった自宅周辺のリスク、洪水発生時に得られる情報などのマイ・タイムラインの検討に当たって押さえておくべき情報を知ることから始め、そこから気づくことや自分自身に置きかえて考えることを記入していくことで、洪水発生時等に自分自身がとるべき防災行動を整理することができます。

 マイ・タイムラインの検討主体は住民一人一人が基本ですが、地域でマイ・タイムライン検討会を開催し、隣近所の住民等と意見交換をしつつ検討を進めることで、自分の逃げ方を客観的に見つめ直すことができるだけでなく、地域としての防災力向上につながると考えております。また、作成したマイ・タイムラインに基づいた避難訓練の実施も、地域の防災訓練として有効的だと考えております。

 しかし、住民がマイ・タイムラインを作成するためには、講座シナリオの作成、進行といった、住民がマイ・タイムラインを作成するための準備や参加者一人一人が頭や心の中にある水防災に関する考えや思いを問いかけによって引き出すファシリテーター要員の養成が重要となります。また、自分の逃げ方を作成することになりますので、市のタイムラインとの整合性がとれていない場合、住民一人一人が個々に行動を始める場合や、過剰過ぎる事前行動を始めてしまうことが考えられます。

 今後、先進地等の状況を確認しながら、作成や避難訓練等の実施を検討していきたいと考えております。

 以上です。


◯林道夫議員

 ありがとうございます。ただいま、本当、課長の方から答弁があったように、一応、この逃げキッドというのは小学生でも理解できるというような感じにわかりやすくつくってあると言われているものでありまして、とはいえ、防災対策課長が言うように、これをそれぞれが個々につくってくださいというのには、ちょっとやっぱりハードルの高いものであって、ファシリテーターの存在というのが重要かと思うんですけども、いつごろをめどにというか、ファシリテーター養成というのをされるのか、また、先ほど言いましたように、地震についてはなかなかやっぱり、あした来るかもしれませんけども、なかなかやっぱり、いつ来るかわからないというところがあって、あと、台風とか集中豪雨等については、もう今の感じでいうと、本当、毎年のように来るというところであって、それに備える意識を育てるということも大事だと思うんですけども、このマイ・タイムライン、もしくはそれにかわる何らかの防災対策課としての案がある場合に、そういうファシリテーターの養成というのはいつごろまでに検討されるとか、もしそういう考えがあるようでしたらお願いします。


◯防災対策課長

 ご質問にお答えをいたします。

 時期等は今現在では明確な時期等は設定はしてはおりません。ただ、言われるように、宮崎議員の質問にもあったように、ことしの7月豪雨でも避難勧告を発令したにもかかわらず、対象人数の1%に満たないというようなことも今後の防災対策としての課題としてもありますので、早急には決めたいと思っておりますが、まず、自主防災組織等との協議なんかも含めて、いつまでということも決めて、ファシリテーターの養成も、そういったことも総括的に含めて、今後また検討はしていきたいと考えております。

 以上です。


◯林道夫議員

 ありがとうございます。もう本当に、そういうマイ・タイムラインに限ったことではないですけども、やっぱり豪雨時期の前にそれぞれの個人ないし地域がそういう意識を持って、5月ごろに避難訓練をするというようなことも今後は大事になってくるのではないかと思うんですけども、その際に、どのタイミングで逃げるかというような意識を持つことも大事だと思います。

 ちょっと質問からは外れてしまいますけども、避難行動に移らない理由として、やっぱり避難所に行ってどういう生活ができるのかというような不安もあって、なかなか行動に移らないというようなアンケートとかもあったりしますけども、やっぱりそういう、地震だけではなくて風水害を想定した避難訓練等も実施することで、一度、避難所の暮らしということを体験することでそのハードルというのも下がるようなこともあろうかと思いますので、また、これはちょっと検討ということでお願いです。

 続いて、3項目めの方に移らせていただきます。

 災害時要援護者に対するマイ・タイムラインの作成ということですけども、先ほど防災対策課長の方からも答弁がありましたけども、今夏の豪雨災害においても、避難勧告が出されて、実際、避難行動をとられた方というのが1%に満たないというような状況でありました。しかしながら、本来は高齢者等の要援護者につきましては、避難勧告ではなくて、その1段階前の避難準備・高齢者等避難開始情報が出されたときに、支援者とともに避難をするというふうにされております。

 これが避難行動に結びつかなかったということについては、行政側の方でも、その情報の出し方であったり、情報を出す範囲とか伝え方というような部分で今後の検討も必要なところもあろうかと思いますけども、やはり要援護者自身の自助意識、また、地域の共助意識ですか、そういうものの醸成というのがまだまだなのかなというようなところですけども、そういう部分でマイ・タイムラインを導入してはどうかということもありますけども、このマイ・タイムラインというのは、一般的には進行型の災害に対してセルフで計画を立てるというものでありますけども、その内容的なものというのは、現在、香南市で策定が滞っていますけども、個別の避難支援計画ですか、それと重複する部分もかなりあるかと思います。

 それと、本当に、中央防災会議なんかででも南海トラフの臨時情報とかいうような感じで、予知はできないけども、そういうような事前情報というのが出されてくるようなことになってきますので、ある程度それに即した事前防災、タイムラインですか、そういうようなものも個人個人で検討するということも大事になってこようかと思います。

 このマイ・タイムラインを要援護者の当事者がつくることで、やっぱり自助の意識というものも高まるかと思いますし、それを、先ほども言ったように、個人ではなく地域として取り組むことで、どのタイミングでどのような支援が必要なのかということが地域にも伝わって、それが個別の避難計画へとバージョンアップできるようなところもあろうかと思いますので、ぜひマイ・タイムラインの作成を災害時要援護者の方に勧めてみてはどうかと思うわけですが、この点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。


◯福祉事務所長

 林議員のご質問にお答えいたします。

 先ほど防災対策課長の方から、マイ・タイムラインの作成の取り組みは有効であるとか、地域でのマイ・タイムラインの検討会など具体的な進め方や、作成したマイ・タイムラインに基づいた避難訓練の実施も地域の防災訓練として有効というような話もございました。

 そういった中で、個別計画へのマイ・タイムラインを考慮した計画をつくったりすることにつきまして、なお、今後、市の全体として先進地の状況等を確認しながら検討するということでございますので、そこと並走するような形で、全体の取り組みを進める中で検討していきたいと考えております。

 以上です。


◯林道夫議員

 ありがとうございます。本当に、災害時の要援護者の方々もやっぱり助けてもらうということだけでは、そういう受け身ではなくて、やっぱり自分が助かるんだというような意識を持つということも今後は大事になってくると思いますので、そういう面でもこのマイ・タイムラインの取り組みというのは本当に今後とも研究していただきたいと思います。

 あと、特に、水害、川の近くの方とかはやっぱり、急傾斜地等が近い、特に危険な、ハザードマップ等の危険地域等について、モデル地区じゃないですけども、そういうような地域でまた先行して、そういう、マイ・タイムラインは今から研究ということでしたら、もう本当にそこの人たちが早目に避難準備・高齢者等避難開始情報が出たときに動けるようなことを、モデル地区みたいなものを設定して推進するようなこともしたらどうかと思いますが、その点について、防災対策課か、どちらでもいいですけども、もしお考えがあるようでしたらお願いいたします。


◯防災対策課長

 質問にお答えしたいと思います。

 まだ具体なそういったことは考えておりませんが、そういったモデル地域として、もしできるところがあれば、そこも率先して作成もしていきたいと思います。やはり事前行動として大切なことですので、避難準備情報を待たずして準備をして、もうそれが発令されたらすぐ逃げるということは非常に重要なことですので、そういった地区がもし、立候補が一番いいんですが、こちらの方から声かけして、そういったことを受けてくれるというところもあれば、今後そことも協議もしていきたいと考えております。


◯林道夫議員

 ありがとうございます。昨日、片山議員の方からもお話がありましたけども、今般、香南市の地域防災計画というのが見直されて、本当に自助・共助というところに視点を置いた住民目線の計画であるということで、非常に注目をされております。

 昨日ですか、日本漢字能力検定協会の方で、ことしの漢字というのが災いという漢字が選定されたということで、これはうれしいのかうれしくないのかよくわからないぐらい、本当にことしはさまざまな災害というものがあったわけですけども、どうか本当に今後とも、地震、津波、台風、竜巻等々、さまざまな災害が今後起こり得るわけですが、その中で住民の生命と財産を守っていただくよう、自助・共助の意識を推進を図っていただくよう、今後ともお願いをしたしまして、質問を終わらせていただきます。本当にありがとうございました。

 

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