指定管理者選定基準と管理委託料試算方法の基準明確化を

【質問の要旨】 指定管理者制度について (1) 指定管理者の候補者については原則は公募だが、市の指定管理者の指定手続等に関する条例第5条には「公募によらない候補者の選定」の規定もある。公募によるか・よらないかの判断はどこが行い、その判断基準はどうなっているか。 (2) 公募による場合・よらない場合に関わらず、指定管理者の候補選定は指定管理者選定委員会において行われるかと思うが、その選定基準と審査方法は。 (3) 既に指定管理者制度を導入している施設については、指定管理者制度導入施設事業評価委員会により毎年度事業評価をするようになっているかと思うが、本委員会の委員構成と事業評価指標、評価方法は。 (4) 各施設により条件が異なるので難しい部分もあると思うが、それぞれの施設の指定管理料を算出するにあたっての各課統一の基本的指針はあるか。 (5) 行財政改革推進の中で、施設の状況や維持管理費、利用率等によっては、指定管理以外の管理運営方法、あるいは廃しも含めた検討も必要になる場合もあるかと思うが、そのような検討も公共施設等マネジメントの中で検討されるのか。 【一般質問本文】 ◯林道夫議員  この12月議会において、幾つかの指定管理者の選定に関わる議案が提案されております。本日はこの審議に当たって、執行部の指定管理者制度に関する考え方を確認させていただく意味で質問をさせていただくものであります。  この指定管理者制度の目的というのは、今さら言うまでもありませんけども、民間事業者のノウハウや経営力というものを活用して、施設の管理運営の効率化と行政の財政負担の軽減を図るということとされています。  しかしながら、本市のような地方の自治体においては、多くの場合に地域の団体等が指定管理を受託することとなっておりますので、その意味では、まちづくり的な地域団体の活性化や支援等の要素も目的の中に含まれるのではないかと思っています。  その意味でも、やはり指定管理の選定に当たっては、行政の効率化やコスト削減などの部分だけではなく、地域団体等の育成、支援というような部分についても一定考慮をする必要があるのではないかと思っています。  そこで質問をさせていただきますけども、指定管理者制度については原則は公募ということになっていますけども、香南市の公の施設の指定管理の手続等に関する条例の第5条において、公募によらない方法というものも規定をされています。そこで現在、本市で指定管理をするに当たり、公募にするのか非公募にするのかというのはどのような基準で判断をされて、それを判断する部署についてはどのようになっているのか、ご説明をお願いいたします。 ◯契約管財課長  指定管理者の候補者の選定について公募によるかよらないかの判断につきまして、まず施設所管課が判断を行い、指定管理者選定委員会で決定を行っております。  その判断に当たっては、まずは公募を原則としております。その上でも非公募の判断をする場合には、施設所管課及び指定管理者選定委員会での共通の判断視点といたしまして、施設の設置の目的やその経緯、利用状況等を踏まえ、地域団体等による管理が効果的な地域密着型の施設か、民間事業者の参入が期待できる施設か、合理的な管理者が特定できる施設かなど、施設の性格、規模、機能等も考慮しながら判断をしております。 ◯林道夫議員  今、選定基準というか非公募にする場合のことを言っていただいて、もうちょっと補足的というか、例えば合理的とか言われると、分かるような分からないような漠然としたところがあるので、もしよかったらもう少し補足を頂きたいんですけど。 ◯契約管財課長  例えば、指定管理者の制度の導入施設の中に香南市砂糖製造施設といったものがございます。こういったところにつきましては、やはり砂糖の製造に携わっているという方が、その地域の伝統を守りながらそこで伝統、文化といいますか、そういう技能も継承しながら施設を管理していくことが合理的であり、かつ効果的であるというふうな考え方をしております。そういった点におきまして、それぞれの施設の性格ですとか特性などを踏まえながら、合理的なのか、集客能力が高い施設なのかそういったところを判断をしているところでございます。 ◯林道夫議員  先ほども言いましたけども、非公募の条件というか、今そんなお話を頂いたんですけども、やっぱり原則は公募というのが指定管理者の前提になってくるかと思うので、その部分で一定、公募の方法、広報の範囲であったりとか公募条件の見直しであったりとか、そういうことをした上で、それでもということかと思うんですけど、極力公募をするに当たって、何か工夫されているようなこととかがあれば教えていただきたいんですけど。 ◯契約管財課長  現状、この指定管理者制度の導入施設といいますのが、やはり旧町から指定管理を引き継いだものが多く、また、指定管理の前には管理の委託制度からの指定管理という観点で、どちらかといいますと公募というよりも非公募が多いのが現状でございます。  ですので今、公の施設を管理運営していくのにどのような方法が効果的なのかといった根本的な見直しができていないのかなというところは正直ございます。ただし、それは所管課が一番把握をする課になりますので、所管課におきましては、しっかりとその施設の設置目的ですとかそういったところを踏まえた上で、条件整理をしながら公募に至っております。 ◯林道夫議員  言われることも分かるんです。本当に指定管理でやるのかどうかというところにも多分そういうことは関わってくるので、そこの部分はしっかり選定委員会の中とか課でも共通した認識で協議していただきたいと思います。  次に、公募による場合、よらない場合にかかわらず、指定管理者の選定委員会で選定されるかと思うんですけど、その評価基準、評価項目と評価の方法について教えていただきたい。  また、公募によらない場合に、特に追加されるような項目とかがあるようでしたら教えていただきたいと思います。 ◯契約管財課長  指定管理者の選定は、香南市指定管理者候補者選定審査要領に基づき行っており、まず所管課において欠格事項がないかの応募資格審査をした上で、指定管理者選定委員会で候補選定を行うこととなります。  指定管理者選定委員会における審査方法としましては、応募書類の審査、また、その記載内容、例えば収支計画書については安定的な運営ができる適正なものとなっているのか、事業計画書については、公の施設として利用促進等が図られるものかなどの視点で、所管課にヒアリングを行っております。その上で、選定委員は大きく3つの審査項目、1つ目に収支計画書、2つ目に施設の運営維持管理等、3つ目に業務遂行能力に係る計24項目について採点を行います。  審査項目の配点は所管課が行い、配点の合計総定数は100点で、採点は、非常に優れている、優れている、普通、劣っている、非常に劣っているの5段階評価でございます。  対象施設に複数の公募があった場合には、原則として各委員の審査採点の合計点数の高いものを優位とし、総合的な評価を行い、候補者の選定をします。応募者が1つの場合は、一定60点程度の60点を目安に選定をしております。  なお、非公募の場合は公募のような採点は行っておらず、施設所管課から提出をされました非公募理由書を基に、香南市公の施設に係る指定管理者の指定手続等に関する条例とその施行規則に照らし、総合的に判断をして候補者選定をしております。  議員のおっしゃられました追加審査項目という点につきましては、改めて項目というのはないんですけれども、継続して同じ管理者が候補となっている場合には、これまでの事業評価の改善点等、こちらが指定管理者と所管課がしっかりと協議ができた上での選定候補になっているのかというところの確認を行っているところでございます。 ◯林道夫議員  本市の場合には合併前からの経緯とかもありますけど、やっぱり同じ団体が長期にわたって管理を受けているという状況が多いかと思うんですけども、その場合の一般的なデメリットとして、経営努力であったりモチベーションが下がったりとか、その組織自体も弱体化じゃないけれども、そんな傾向になったりとか、また一方ではそれらをチェックする各課、役所側もチェック機能が低下するというようなことが書かれていたりするんですけども、そういう点で、今、課長のほうが、公募されない場合にはそこの部分をしっかりとやっていくということなんですけども。  公募・非公募によらず、既に指定管理をしている施設については、恐らく毎年度だと思うんですけども、指定管理の導入施設の事業評価委員会、そのようなものが開催されて、それぞれの利用状況であったり、収支状況であったり、管理運営の状況について評価をされるかと思うんですけども、そのときの条例のほうを見せていただいたんですけども、具体的な委員の役職名みたいなことが書かれていなかったので、まずそのメンバーを教えていただきたいというのと、評価項目と評価の方法について教えていただきたいと思います。 ◯契約管財課長  令和5年度の事業評価委員会は、外部委員といたしまして香南市商工会事務局長、香南市スポーツ推進委員、高知職業能力開発短期大学校校長、井上ワイナリー株式会社のいち醸造所長の4名と、市職員といたしまして企画財政課長、契約管財課長の2名、計6名で組織をしております。  次に、事業評価については、本市では、施設所管課で行う一次評価を踏まえ、香南市指定管理者選定委員会または事業評価委員会の意見を基に、市としての総合評価を確定しております。  その評価方法として、香南市公の施設に係る指定管理者の指定手続に関する条例第9条に基づき、大きく3つ、管理業務の実施状況、施設の利用状況、管理経費の収支状況を評価区分とし、区分ごとの評価項目、評価指標について評価を行います。  まず、一次評価の1段階目といたしまして、管理業務の実施状況については、管理運営に必要な人員配置や個人情報の適切な取扱いなど6項目、施設の利用状況については、利用者数や苦情等に対する取組など6項目、管理経費の収支状況については、現金の管理や利用収入、経費削減等の5項目、合計17の評価項目の達成度を検証し、1点から4点の4段階で採点を行います。  次に、2段階目として、この17評価項目の採点に基づき、評価区分ごとにS、A、B、Cの4段階評価を行います。そして最後に、一次評価の結果を踏まえましてS、A、B、Cの4段階で総合評価を行っております。一次評価及び総合評価を行う際には、協定書、事業計画書で定めた水準の管理運営がなされているのかを基に、指標の達成度だけではなく、事業者の積極的、自主的な取組や運営努力にも着眼をしております。  なお、事業評価は、指定管理者制度導入施設の事業評価に関する基本方針に基づき毎年行いますが、事業評価委員会の評価は、毎年4施設を対象として、実際に現地を見て行っており、そのほかの施設は指定管理者選定委員会にて評価、こちらは現地を伴いませんが、行っております。 ◯林道夫議員  先ほど外部の委員の名称というのが出たんですけど、結構市内のいろんな団体に関わりのある方で、恐らく指定管理の受託者となる団体とも関わりのある方たちの名前というか役職なのかなとも思ったりするんですけど、実際、評価とかをする場合に、特に評価対象の団体の名称とかそんなのは明らかにした上で評価を、加点による評価みたいな感じなので、そういう感じなんでしょうかね。 ◯契約管財課長  事業評価の委員会で評価をするに当たりましては、もちろん指定管理者さんを踏まえた現地評価としておりますので、指定管理者さんを明らかにした上で行っております。 ◯林道夫議員  最終的に評価の結論というか結果は合議制みたいな感じというか、加点プラスそのときに出た意見みたいな感じでまとめているんですかね。 ◯契約管財課長  先ほどの一次評価を踏まえて、その上で総合評価を行いますと申し上げました。ですので、一次評価を踏まえて現地を見た結果、やはり一次評価と違うところ、よかったところというところにつきましては、しっかりと事業評価委員の皆様からご意見を頂いて、最終的には議員のおっしゃいますように合議制ということになります。 ◯林道夫議員  指定管理者の努力というか、インセンティブじゃないですけど、プラス評価の部分というのは、努力部分というのをどのような感じで。これは先ほど言った点数というか、そんな感じで評価するがですか、経営努力。 ◯契約管財課長  評価シートにおきましては、先ほど17項目と申し上げました。その17項目の中に、指標として、人員の配置がされているかなどというのは適正人員になりますけれども、やはりしっかりと利用方法の周知、こういったところの施設の利用、住民サービスの向上に努められているのか、利便性といいますか、そういったところにつきましては一定、3点が普通になるんですけれども、そこをしっかり加味をした上で加点といいますか、上位の点数になるといった形になりますので、1施設の項目によって、それぞれの施設によって性格が違いますので、加点となる部分も異なってはまいりますけれども、そういったところには留意をしながら採点をしております。 ◯林道夫議員  一定、管理者の努力というか、その部分も評価ができるということで、次の項目に移りますけども、やはり指定管理者制度においては適切な指定管理料の算定、算出というのが一番重要ではないかと思うわけで、少な過ぎる指定管理料であれば管理者の努力を阻害するというか、モチベーションが下がってくることにもなりかねませんし、かといって高過ぎる指定管理料というのは行政の財政負担が向上することになるので、そもそもその施設を指定管理とするかどうかという部分にもなってくるかと思います。  本市が指定管理を導入している施設については様々、施設の目的であったり規模であったり立地条件であったり、条件が異なっていますので、必ず一律の基準というのも難しいところはあると思うんですけども、やはり公平性を担保する意味でも最大公約数的な算定基準、そういうものを明確にしておく必要があるかと思うんですけども、そこで、各施設の指定管理料を算出するに当たっての、統一した基準のようなものがあるようであれば教えていただきたいと思います。 ◯契約管財課長  指定管理料の基本的な考え方としましては、指定管理業務の実施に必要と見込まれる経費の総額から、利用料金収入など、基本的な指定管理業務から見込まれる収入の総額を差し引いて算定をしております。  また、指定管理者のインセンティブとして、経営努力により利用収入が増えた場合や、指定管理者が当該施設の目的達成、利用者のサービス向上に寄与するために行う自主事業により収益や利益があった場合でも、指定管理料の返還や利益部分を市に対して還元することは求めておりません。  その上でも、議員のおっしゃいますとおり施設ごとに性格や規模、機能等が異なるため、なかなか統一した算定基準を示すことは難しく、施設の設置目的等を踏まえた上で、所管課で算定基準を考えて算定しているのが現状でございます。  例えば、人件費の算出に当たりましては、市が直営をした場合を想定いたしまして、該当施設の管理運営に必要な人員配置数等を考え、会計年度任用職員の報酬や賞与を算定の基本とする場合や、集客性が高く、利用収入等により管理運営を求める施設においては最低賃金を基本とするものなど、施設の設置目的等により算定基準の考え方も異なっております。  指定管理料の算出に当たり、必要経費の正確な把握は大変難しいところではございますが、これまでの実績を参考にするや社会情勢に即した見直し等を行いながら、施設の設置目的等の達成に向けて、適正な指定管理料の算出に努めております。 ◯林道夫議員  本当に課長の言われるようにというか、いろんな経緯もあって、使用目的とかそんなものによって難しいところもあるかと思うんですけども、繰り返しのようになりますけども、算定基準、もしこの施設を指定管理ではなくて行政が直営でする場合に、どれぐらいのサービスを提供してどれぐらいの集客、標準的なものというのをある程度イメージして、そこで経費であったり収入であったりという標準的なものを持っていないと、次の質問にも関わってきますけども、どんどんこれが上がっていってしまうのか下がっていってしまうのかによって、本当にこれが指定管理であるべきなのかどうかというような判断の基準にもなってくると思うので、今後、ある程度、基準の明確化みたいなことを図っていくお考えとかはどうですかね。 ◯契約管財課長  大変苦慮しておりまして、やはり考え方につきましては、一定基本方針的なものを設けまして、誰もが困らないような形にしていきたいというふうに思っておりますので、現時点で、指定管理者の担当とも話して、基本方針をつくっていこうという方向で前向きに考えております。 ◯林道夫議員  次の項目のところでもそうなんですけど、やっぱり基準というかトリガーじゃないですけど、この基準になったらみたいな目安がはっきりしていないと、漫然と委託してしまうみたいなことにもなりかねないし、そのことで財政負担というのが知らないうちに増えていたということにもなりかねないので、またぜひよろしくお願いします。  指定管理者制度を導入している施設についても、ある状況によっては指定管理以外の管理方法というのも検討することというのがやっぱり大事だと思って、例えば老朽化等により維持管理費等が余計にかかってしまうとか、目的の事業だけど集客がなかなか伸びないとかですよね。あと、公募をしても指定管理者がないとかいう場合も当然あるかもしれませんけど、その場合に、やはり市が直接管理をするとか、事業の一部分だけを外部に委託するとか、また幾つかの施設を統合して、PFIなどによって新たに生まれ変わらせるとか、そんなプラスの方向もあれば、逆にもうこの施設は使用しないんだというような選択も出てくるかと思うんですけど、そのときも先ほど言った標準的な数値、指針というのが大事になってくると思うんですけども、現在、公共施設のマネジメント、そういうものに取り組んでいる中で、指定管理を導入している施設というのは当然、公共施設ということになりますので、それらの管理の方法、指定管理でやるのか、それ以外の方法もやるのかとかいうことについても、その中で検討されていくのかどうか教えていただきたいんですけど。 ◯契約管財課長  公共施設の管理運営方法は、直営のほか指定管理や、議員がおっしゃられましたPFIといった様々な形態の官民連携手法が考えられます。また、再編方法につきましても、サービス内容や機能の変更、複合化、廃止など様々な手法がございます。  現在、公共施設等マネジメントにおいて、施設カルテの作成を進めるにつれ、各施設の現状や維持管理費等、利用者数、稼働率などに関する客観的な数字が明らかになってきております。  今後、各施設の現状と特性をさらに詳しく分析しながら、どのような運営方法や再編方法がその施設に適正なのかを公共施設等マネジメントの中で検討し、持続ある公共施設の運営を推進できるよう、施設所管課のリーダーシップを促しながら取り組んでいきたいというふうに考えております。 ◯林道夫議員  初日の諸般報告とか議会前の全協の中で財政課長が中期財政計画の話とかもされていましたけど、そこの本気度というか、どうしていくかというのを、しっかり今後そういうものを持って検討を深めていっていただきたいと思います。  私たち議会も、適正な施設の維持管理ができるような指定管理の選定ということで議論を続けていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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